夏の終わりに:カッチーニのアヴェ・マリア

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最近は雨が多いせいか、昼間は蒸し暑くても夕方の風が涼やかになってきましたね。長かった夏もそろそろ終わりに近づき、秋がすぐそこまで来ている感じがします。^^

公園を通り抜けた時、夏の間は草を刈った後のような青臭い風が、柔らかくて甘い風に変わったような気がしました。野生の本能が実りの秋が間近だと知らせてくれているようです。季節の変わり目に五感が敏感になったり、自分の中の情感のでこぼこが気になるような気がするのは、管理人だけでしょうか?いらいらしている訳でも、センチメンタルな気分でもないけれど、なんとなく落ち着かない。そんな時は美味しいものを食べたり、気の置けない友人とおしゃべりしたり、気に行った音楽を聴いて心を落ち着けるのが一番です。いや、いつもですが。(笑)

そんな今、気になる曲ナンバーワンは、カッチーニのアヴェ・マリア。単純で綺麗なメロディーは一度聴いたら印象に残ります。ふと思いついて、曲について調べてみたら、短くてシンプルな曲なのに、背景はそれほど単純ではなさそうでした。カッチーニ(Giulio Caccini)のアヴェ・マリアについては続きからどうぞ。
つぎつぎと気になる曲が出来ては、調べたり集めたりして忙しい管理人ですが、今回もチェロから芋づる式につながってます。演奏会で聴いて以来、好きな曲ですが、生で聴いたのがハンドベルとオーボエという偏り加減。(笑)古川展生のクラシックアルバムに収録されているアヴェ・マリアを聴いたとたん本格的にはまり、ずっと聴いては頭の中で鳴らせていました。そのうちオリジナルのソプラノ歌唱で気にいった録音を探したいという気持ちが強くなりまして。。単純な気持ちでCDを探し始めたのですが、究極のバージョン探しはそう簡単にはいきませんでした。(^^;

まずはいつものように有名な曲はほぼ揃っている図書館のウエブサイトで検索してみると、カッチーニのアヴェ・マリアが収録されたCDはいろいろありました。評判の良さそうなCDをいろいろ取り寄せて、さあ聴き比べようとジャケットを見て、ちょっとびっくり。何の疑問もなく大人の女性を想定していたのですが、集まった3枚の歌い手は男性と子供だったのです。それほど演奏者について知識がなかったということで。♪ちゃん、ちゃん♪。(^^;

その後CDショップでさらに探したり、ウェブで曲の背景を調べたところ、今度はなんとカッチーニの作ではないとの記載を見つけて二度びっくり。ウェブの情報をすべて信用するわけではありませんが、調べた限りでは真偽を疑うには足りるんじゃないかと思ってしまいました。(^^;

CDのライナーノーツには曲の詳しい来歴はあまり見当たらず、中にはカッチーニの年代のスタイルと違うという説もある、という記載もありました。英文Wikipediaではこの曲は「カッチーニ」の項に記載すらなく、「音楽的な贋作」の項に入っており、ロシアのリュート奏者で作曲家Vladimir Vavilov (1925-1973)の作と断定されています。この記事によると1970年頃作曲され、1972年に作曲家不明として録音・発表され、その後なぜだかカッチーニの作とされたらしいとの事。

自分で検索した中で最も古い録音はIrene BogachyovaのRussian Vocal School (Talents of Russia)のようで、Vavilov氏がリュートで伴奏していますが、曲の録音は1974年とされており氏の没年の1973年と計算があわなかったり、作曲家名はD.Cacciniだったり(GiulioならG.Cacciniのはず)なんだか怪しいです。(^^;

そもそもカッチーニの全集にはアヴェ・マリアは含まれておらず、1980年代以前にはほぼ記録に残っていない曲が90年代になって多数録音がされたとのこと。ほら、怪しいと思うでしょ?(笑)ラトビア出身のInessa Galanteのデビューアルバムに含まれたアヴェ・マリアが注目を浴び、Leslie Garrett が同じ曲を取り上げ、そのCDを聴いたCharlotte Churchがデビューアルバムに収録した、というように広がったようです。日本ではその後SLAVAでブレイクしたようですね。

本当の作曲家がだれであっても、この美しい曲が世界的に愛されていることは間違いないのですが、贋作だとするとこの曲で有名になったカッチーニが可哀そうですね。ついカッチーニの代表作の「アマリリ麗し」をちゃんと聞いておこうと予約してしまいました。

と、言う訳でカッチーニ?のアヴェ・マリアを探して三千里して、通勤時のプレイリストはノンストップ・アヴェ・マリアとなっております。その後CD屋で探したり、ウェブ上で試聴を探して聞いたのは以下の曲。4分ほど曲の感覚的な感想なので、素人の戯言と読み流して下さい。^^

Innessa Galante(S)
DEBUT/CONFESSO
ラトビア出身のイネッサはこの曲で有名になったそうです。いかにもオペラ歌手といった迫力があります。下は廃番になった?デビューアルバムで、試聴できる最も古い録音みたいです。新しい方の録音は金八先生の挿入歌にも使われたそうな。
http://www.dimusic.co.uk/Caccdeb2.ram

Lesley Garett(S)
A Soprano Inspired/アヴェ・マリア100%
イギリスではオペラの舞台からTV、ラジオのパーソナリティと幅広く活躍して愛されているソプラノだそうです。自分の持っている曲のイメージに一番近い、大人の女性のアヴェ・マリア。「Maria」の発音がなんだか英語的で、ああ、イギリス人だなと納得。

Charlotte Church(S)
天使の歌声
ジャケットにある12歳の可愛い笑顔に驚き、声を聞いて大人のようだと二度驚きました。ちょっと苦しそうなブレスが子供らしく可愛いのですが、聴きながらつい同じタイミングで息継ぎをして苦しくなってしまいました。(^^;前述のレスリーと同じアレンジですが印象はかなり違います。
個人的には天使というよりは、見習いシスターのようだと思いましたが、愛くるしい少女は今ではすっかり大人になり、イメージもだいぶ変わったようですね。

SLAVA・VyatcheslavKagan-Paley(CT)
OTTIMO/SLAVA BEST/AVE MARIA等 
硬質で美しい声が、氷の女王のようで、聴いているだけで涼しい場所に連れて行ってもらえそうです。カウンター・テノールは技とらしいと感じることがありますが、SLAVAはすんなり聴ける声ですね。
全然知らなかったのですが、SLAVAは90年代に日本(限定?)で癒し系としてブレイクしており、この曲は数々のコンピレーションでも取り上げられています。

Andrea Bocelli(T)
Sacred Arias
指揮者のチョン・ミュンフンとフルオケを従え、教会で録音されたCD。新世紀を記念してローマで録音されたのに、一曲目が贋作じゃまずいのでは?と余計な心配をしてしまいます。(^^;DVDも出ていてyou tubeでちらっと見ました。
オケ用のアレンジは一味ちがい、鐘が鳴り、音に厚みがあって荘厳な雰囲気をかもします。ボチェッリの深くて柔らかいテノールは感傷的過ぎず、オケとのバランスが良い感じです。心を落ち着けるのに良い演奏ですね。

宮本笑里(Vn)
SMILE
最近発売されたデビューアルバムのPOPを見かけて、ズルい!(笑)と叫んだ訳はパパ・宮本文昭との録音。この曲は宮本さんがアンコール曲として良く演奏していましたが、アルバムには収録されていないと引退コンサートのMC語っていました。もう二度と聴けないと思っていた宮本さんのこの曲が、娘のデビュー・アルバムに初収録とはやられました。あのMCもソニー・ミュージックのマーケティングの一部だったのでしょうか。(^^;
後半はヴァイオリンがメインでオーボエもからみますが、やはり気にいっているのはオーボエがメインの前半です。

古川展生(Vc)
古川展生-ベストコレクション・クラシック
実はさんざんヴォーカル・ヴァージョンを聞いた後も、自分の中ではこのチェロ・ヴァージョンを超えるものはありませんでした。チェロの深い響きの上にソプラノが聴こえてくるのは私だけでしょうが、(笑)想像上にしかない理想のソプラノを超えることは無理なのかもしれませんね。
コメント
この記事へのコメント
はーもに~♪様

丁寧な解説と注意事項ありがとうございました。(笑)
アルバムの中で発声法が変わると聴いていて落ち着かないですね。本田美奈子sんならポップスでのファンも多いからなんでしょうが、全部クラシック風に歌ってくれば良いのに。(^^; 

アンサンブル・プラネタは良いですね。こちらの方に傾き中。(笑)古川さんのチェロは素敵なので、この曲に限らず機会があれば聴いてみてください。^^
2007/09/18(火) 07:52 | URL | ろめいん #VWFaYlLU[ 編集]
レスありがとうございます。
書いておきながら、今更ナンですが…
美奈子しゃんのマリア、意図的にポップスの発声とクラッシクの発声をコロコロ変える美奈子ブシが…正直にいうと…チト苦手ですた(殴!)
(だって「アメイジング・グレイス」が目当てだったんだもん…言い訳)
ま、こうゆうのもアリかな、ってことで…(汁)
アンサンブル・プラネタの方は、堂々と「一聴の価値あり」って言えるんだけど…^_^;

古川展生さんのチェロ版、ぜひ聴いてみたいです♪
2007/09/17(月) 22:42 | URL | はーもに~♪ #N2s76zxo[ 編集]
nomomaniaさん

ご無沙汰してます。(^^;
カッチーニ?は以前から好きだったのですが、この夏なぜか火がついてしまいました。

Leslie Garettは英国では国民的なソプラノ歌手のようですね。アヴェマリアも成熟した女性の祈りという感じでした。こんな短い曲なのに、比べてみると全然違うのが興味深かったです。^^
2007/09/17(月) 18:51 | URL | ろめいん #VWFaYlLU[ 編集]
はーもに~♪様、歌ったことがあるとはうらやましいです!私は学生時代のソプラノは出ないし、メゾとアルトは難しくてね無理そう。。(^^;

アンサンブル・プラネタはオペラの人たちとは違う透明感があって、瑞々しくてきれいな歌声ですね。それにしてもアカペラって憧れます。

日本人バージョンは中丸三千繪しか持ってないけど、本田美奈子さんも一度聴いてみようかしら?はーもに~♪さんのお勧めだし、CDショップで目立つ所にあるので気になっていました。^^聴いたらレポします。
2007/09/17(月) 18:43 | URL | ろめいん #VWFaYlLU[ 編集]
ろめいんさん、「夏の終わり」ももうすぐですね。

私もこの曲は昔から大好きです。清涼な湧き水のように心洗われるような感じがしますね。
でも、私の好きな歌手が歌ってくれた録音が無いようなので、持っているCDはLesley Garettのものだけです。



2007/09/17(月) 07:37 | URL | nomomania #-[ 編集]
古川展生さんて、本田美奈子しゃんの「時」で共演してるのね。
カッチーニのマリアの時のチェロは刈田雅治さんだけど…
美奈子しゃんのマリアは、チェロと合うといっても、かなりクセが強いから、好き嫌いが分かれそうねぇ…

連投、スビバセン…m(__)m
2007/09/17(月) 00:31 | URL | はーもに~♪ #N2s76zxo[ 編集]
カッチーニのアヴェ・マリア、女声合唱の方の演奏会で歌ったのを思い出しました。指導者が「感情を込めないで、冷たく歌って」と言ったのは、Slavaを意識していたんでしょうかね?^m^ 
SlavaのマリアもYouTubeで聴き(観)ました。やっぱり良いわねぇ♪ あと、Libera っていう少年合唱団のも、動画つきだと、可愛くていいわぁ♡(←おばさん)

私が持ってるのは、毛色の変わったものしかなくて…
なんと!本田美奈子しゃん。追悼で、つい購入してしまいました。^_^; 
そういえば、古川展生さんて、本田美奈子しゃんの追悼CD「wish」に参加しているんですね。
あと、アンサンブル・プラネタ(「ノーシン」のCMで、グリーンスリーブス歌ってた)のもの。ア・カペラの女性コーラスグループです。透明感のある美しい歌声で、とても聴きやすいです。でも、チェロに合うような、温かみのある声ではないけど…
カッチーニのアヴェ・マリアは
http://mysound.jp/music/detail/t5SY4/
  (同じアルバムの「すみれ」が可愛いいの♪)
カッチーニのアマリッリは「アンサンブル・プラネタ」
http://mysound.jp/music/detail/t5LKF/
で、視聴できますよん。

理想のマリア、見つけたら教えてくださいね♪
2007/09/16(日) 22:03 | URL | はーもに~♪ #N2s76zxo[ 編集]
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