大人の香り、フェルメール・クァルテットのベートーベン

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行ってきました、フェルメール!とは言っても場所は新国立美術館じゃなくて紀尾井ホールなんですが。(^^;「牛乳を注ぐ女」で有名な画家、ヨハネス・フェルメールの名前を冠したフェルメール・クァルテットを聴いてきました。

最近老舗のカルテットの解散が相次ぎますが、創立39年のこの四重奏団も今年いっぱいで引退し、今回が日本でのファイナル・ツアーになります。てっきりオランダ大使館あたりが協賛した美術展の盛り上げ企画かと思ったらカルテットはシカゴが拠点とのことなので、偶然来日が重なっただけのようです。^^

フェルメール・クァルテットのレパートリーは幅広く、新作にも意欲的とのことですが、録音しているものでもべートーヴェン弦楽四重奏曲全集をはじめ、シューベルト、ドヴォルザーク、メンデルスゾーン、ブラームス、チャイコフスキー、ヴェルディなど、というとその奥行きが分かります。メンバーは何回か変わったとのことですが、現在のメンバーに落ち着いてから14年だそうですから、それはもう、練れていること間違いなし。(^^;

そんな渋い楽団がファイナル・ジャパンツアーに引っさげてやってきたプログラムは「ベートーヴェン弦楽四重奏曲全曲演奏会」。素人としてはしり込みするプログラムではありますが、聴いた事ががない曲でも室内楽は大丈夫だから、と自ら背中を押して行ってきました。

毎度演奏のレビューというよりは、曲の印象紹介ですが、ご興味のある方は続きからどうぞ。^^
6日で16曲+大フーガというベートーベン弦楽四重奏曲のチクルス。大体1回3曲からなる構成ですから、プログラムを組むのも演奏するのも大変そう。2日目の今回、プログラムで唯一なじめがあるのは11番、セリオーソ。あのベートーベンが自ら「真面目な四重奏曲」と呼んだ曲は以前モザイク・カルテットで聴いたことのある曲でした。ちなみに、11月のBRAVO!素人的コンサート感想で簡単にレビューしてます。

フェルメール・クァルテットの中心であるアシュケナージは、今年66歳。ヴァイオリンの腕が落ちる前に引退すると決めたようですが、きっかけとしてはチェロのジョンソンがシカゴを離れる決断をし、新しいメンバーを入れて続けるか、解散するかの選択になった結果だそうです。フェルメールとしての活動は終わりますが、ヴィオラと第二ヴァイオリンはまだ引退という年齢には見えませんので、また違った形で活躍を続けることでしょう。

5番で印象に残ったのは長い第三楽章。Andante Cantabileの名のとおり、ゆったりしながら、展開に合わせてムードが変わります。職人のような4人が淡々と響き合わせながら進めて行くのが印象的でした。アシュケナージの腕が落ちたか判断できる耳はありませんが、凄い!とは思わなかったのも事実です。突出したうまさを感じなかった半面、4人の力が均衡していて落ち着いて聞けました。

セリオーソは思ったほど真面目で厳粛という印象ではなく、弛緩したムードもあるのですが、それがいきなり変わるので、はしゃげないという感じで緊張感が漂います。なんどか現れる主題も理解する前にどこかに行ってしまい、おさまりがつかない感覚です。短調の曲は、最後の楽章は長調で明るく終わるのですが、最後は主題が高らかに謳われるわけではなく、なにかをわざと外した感じが残ります。この曲だけではないのですが、ヴィオラの音が美しく、オケでは埋没しがちな楽器が室内楽では本領発揮されることを再認識しました。

13番は最終楽章が差し替えられたといういわくつきの作品。もともとは大フーガだったのを、難しすぎると嫌われ、新しく書き換えた楽章に差し替えられたとのことです。響きが綺麗で、快活で明るい曲は誰一人飛び出すことなく、まとまりよく届けれられました。チェロとヴィオラの豊かなピチカートや、民族風のおどけた部分はスパイスが利いていて、印象に残り、チェロがゆったりと弾いてムードを柔らかく変えたり、メリハリも聴いていました。

演奏会シリーズは来週いっぱい続きます。機会があればもう一度行きたいなと、思いながら紀尾井ホールの帰りにBrasserie Aux Bacchanales(オーバカナル)のパンを買って帰りました。ここのパン屋は遅くまでやっているので、管理人のコンサート帰りの寄り道どころとして定着しています。ちなみにサントリーホールの店舗の方はコンサート前に買っておき、終わるまで預かってもらうこともできて便利ですよ。^^


紀尾井の室内楽vol.2《クァルテットの饗宴2007》
フェルメール・クァルテット ファイナル・ステージ
ベートーヴェン弦楽四重奏曲 全曲演奏会(2)
演奏:     フェルメール・クァルテット
ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第5番 イ長調 Op.18-5
弦楽四重奏曲 第11番ヘ短調 Op.95「セリオーソ」
弦楽四重奏曲第13番 変ロ長調 Op.1301

フェルメール・クァルテット
シュミュエル・アシュケナージ (Shmuel Ashkenasi) 第一ヴァイオリン
マティアス・タッケ (Mathias Tacke) 第二ヴァイオリン
リチャード・ヤング(Richard Young) ヴィオラ
マーク・ジョンソン(Marc Johnson)チェロ
コメント
この記事へのコメント
なんて、偉そうに言えるわけではないのですが。。(^^;
弦楽四重奏は一人1パートなだけにバランスの取り方が絶妙で、奥が深いです。

感想を読み変えすと、ちゃんと褒めていませんでしたが、セリオーソ、良かったです。^^モザイク・カルテットとは全く違う印象を受け、それぞれのカルテットの個性を感じました。

おぉ、カルテットもシュスタコーヴィチがお好きでしたか。。
気になりながら、きっかけがつかめてないので、室内楽からアプローチしてみようかしらん。^^
2007/09/30(日) 11:10 | URL | ろめいん #VWFaYlLU[ 編集]
ベートーベンチクルスなんですね。
16曲の中で、一番好きなのは「セリオーソ」かなぁ・・・。

生で聴くのはオケばかりですが、CDでは最近ショスタコーヴィチのクァルテットを良く聴きます。

ベートーベンとは全く違った世界で、好き嫌いははっきりでると思いますが、じっくり聴くと面白いです。

また、僕が聴かないジャンルのコンサートの感想、楽しみにしてます。
2007/09/30(日) 02:54 | URL | szell #-[ 編集]
なつさん、

私のような素人レビューを読んで、聴きたいと言ってくださり嬉しいです!

以前から時々聴いてはいたものの、私がはまったきっかけはゴールデンウィークの音楽祭、ラ・フォルジュルネでした。値段も雰囲気も気軽に聞けて、初心者でもとても楽しめました。なにより、生演奏の迫力というか、雰囲気はCDにはないものですから、機会があればぜひ生演奏を聴いてみてください。^^

ロビーコンサートやらアマオケやセミプロの演奏会なども、興味のある曲なら十分楽しめますし、自分が気になる傾向のCDや参考図書を図書館で借りれば大体分かってきます。私はどんどん気になる曲が広がるにつれCDが増え、行きたいコンサートも多くなりどんどん深みにはまりました。(笑)

ネットではコンサートや曲の情報収集のほか、好きな方との情報交換もできますし便利ですよね。また、コンサートに行くとどっさりチラシをもらうので、行きたい演奏会がたくさんみつかります。なかなか行けないのがつらいですが。(^^;

なつさんも素敵なコンサートにいらしたら感想を聞かせてくださいね。^^
2007/09/30(日) 01:39 | URL | ろめいん #VWFaYlLU[ 編集]
ろめいんさんのお聴きになった弦楽四重奏、ワタシも聴いてみたいです。
のだめからクラッシックの世界に入り込んだ私、まだまだ、「のだめファン」の域を出られていないのが、悔しいです。
いろんな曲を、オケを室内楽を聴きたいと思いつつ、行った事あるのは、「のだめオケ」のコンサトのみ、、、、。
もっと情報集めて、いろんな音楽聴きに行って、真のクラッシックファン、目指したいです。せっかくのだめちゃんが広げてくれたわたしの新しい世界、もっともっと広げたい。。

ちなみに、コンサトの情報などは、どこで収集しますか?
やっぱりネットですか??
2007/09/29(土) 20:18 | URL | なつ #-[ 編集]
nomomaniaさん、今日は。

聴きどころは「ハープ」と「ラズモスフスキーの第三番」ですね。^^ピチカートのぽろんという音が好きなので「ハープ」も大変気になっています。

また感想を聞かせてくださいね。
2007/09/29(土) 09:57 | URL | ろめいん #VWFaYlLU[ 編集]
おお、早速お聴きになったんですね。
私も今度の土曜(6日)のマチネーに行くんですよ。
どんなベートーヴェンを聴かせてくれるか楽しみです。


2007/09/29(土) 07:46 | URL | nomomania #-[ 編集]
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