現代に輝くバロック音楽: ベルリン・バロック・ゾリステンwithエマニュエル・パユ

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月曜が休日だったせいか、妙に気分が忙しかった今週。やり残した仕事を頭の端っこに片付けて、金曜の夕方に急いだ先はオペラシティのコンサートホールです。今回は久しぶりに後輩と待ち合わせをしていたのに、いつも一人で行く癖でぎりぎりに会社を出てしまうのは悲しい習性ですね。(^^;おしゃべりに花が咲き、危うく乗り換えを忘れそうになりながら、満員御礼のオペラシティに連れ立って駆け込みました。

今日はバロックアンサンブルとして世界的に活躍しているベルリン・バロック・ゾリステンとフルートのスーパースター、エマニュエル・パユの協演に、開演前のロビーは期待感で溢れかえります。開演前にあれだけCD売り場が混んでいるのは初めて見ましたが、終演後も同じようにごった返している始末。凄い人気はさすがパユ様です。

パユはベルリン・フィルの首席奏者に23歳という最年少で就任、フランス語圏のスイス出身の史上最高と言われるフルート奏者です。ベルリン・バロック・ゾリステンはユニークなアプローチで古楽を輝かせるアンサンブル。パユはレ・ヴァン・フランセ(2月の記事に感想あり)でエスプリ溢れる演奏を聴いており、ベルリン・バロック・ゾリステンはCDでアルブレヒト・マイヤー(オーボエ)やトーマス・クヴァストホフ(テノール)との協演を聴いています。(11月の記事にCD感想あり)その上、演目はオールヴィヴァルディの協奏曲。この組み合わせなら外すことはまずありません。^^

自分的には今シーズンの目玉だったコンサートの、長すぎる感想はつづきからどうぞ♪
今回の席は音のバランスも良く、見ても良しという真正面・真ん中を確保。チケットを取ってくれたH師匠と行くはずだったのですが、残念ながら都合が悪くなり、急遽学生時代フルートをやっていたという後輩を誘いました。Hくんにはレ・ヴァン・フランセでも振られており、パユには縁がない、というか私と行くことに縁がなさそうです。(笑)師匠と一度は一緒にコンサートを聴いて感想を交換したいと思うのですが、実現するのはいつの日でしょうか。(^^;

ところでライナー・クスマウルは元ベルリン・フィルの首席コンサートマスターだというだけでなく、ドイツの誇りとしてソリストとしても、教育者としても実績があり、室内楽の至宝とまで呼ばれているそうです。その彼が率いるベルリン・バロック・ゾリステンは1995年にベルリン・フィルの首席弦楽器奏者たちによって結成されました。その名の通り、ソリストとして演奏できるメンバーばかりが集まったアンサンブルは世界の古楽演奏界をリードする地位を確立しています。多彩なゲスト・ソリストを迎えての演奏も多く、ベルリン・フィルのつながりでパユやオーボエのアルブレヒト・マイヤーとの協演も多くおこなっています。

レパートリーもスタンダードなバロック曲から、あまり取り上げられない作品までと幅広く、前日10月11日のトッパンホールではモーツアルト・テレマン・バッハ等と、12日とは全く演目が重なりません。今更ですが、そちらも聴きたかったです。(^^;

今回のアンサンブルは13人の編成で、ヴァイオリンが7人、ヴィオラが2人であとはチェロ、バス、ハープシコードそして、テオルボが一人ずつ。このテオルボという楽器は初めて目にしたのですが、異常にネックの長いリュートといったところ。この首長竜(笑)が趣のある音を出し、ハープシコードとともに雅な雰囲気を作っていました。

13人が息を合わせて描く世界は、バックto the 中世といった懐古趣味ではなく、歴史的な雰囲気をまといながら、私たちが自然に楽しめるものになっています。現代仕様の古楽器さまざまな時代の弓を使用、と言われても具体的な違いは分かりませんが、そのような工夫の積み重ねこそがバロックを現代に息づかせるアンサンブルの個性なのだと思います。

ベルリン・バロック・ゾリステンは時に柔らかく、時に溌剌とした音を響かせてヴィヴァルディ節を歌いますが、それぞれの曲に違う光を当て新鮮に感じさせます。ヴィヴァルディといえば聞きなれているのはイ・ムジチの協奏曲集なのですが、それとはまったく違うアプローチという印象です。うまく言えませんがそれぞれの楽器は骨太でありながら、ぴったり合わせたり対比させることでヴィヴァルディの曲の個性を引き出しているようです。

楽器といえば、今回はまず首長竜くん(笑)に見惚れてしまいましたが、相変わらずチェロとヴィオラの豊かな音に惹かれます。鮮やかな赤いチェロを弾く女性は時に淡々と、時にドラマチックに中低音を響かせます。「ごしきひわ」第二楽章ではテオルボとチェロの上にフルートが乗る様が美しく、有名な第一楽章でパユのテクニックを見せつけられました後にすっかり和みました。

また、4つのヴァイオリンのための協奏曲では2パートに分かれたヴァイオリンの対話や1本ずつ重なる音型が楽しく、2つのヴァイオリンのための協奏曲では競い合う美しさを堪能し、彼らの新鮮なヴィヴァルディに飽くことはありませんでした。

そんなアンサンブルにフルート協奏曲ではパユ様が、期待通りに華を添えました。黄金に輝くフルートにはなにか特別な仕掛けがあるのではと疑ってしまいます。「ごしきひわ」では普通出せないような音を軽々と出し、「夜」ではざわめきからドラマチックな情景まで自在に描き、「海の嵐」では緩急の差をつけながら盛り上げ、カリスマ健在というところです。確かなテクニックと、旺盛なサービス精神は聴衆をすっかり魅了していました。

パユに驚いたのはフルートが弧を描いて角度が100度以上変化したことです。つまり普通横向きに構えるフルートを90度振り向いて顔を左横に向けたかと思うと右後ろのチェロに向いて旋回していましたからはその差は約130度。もちろん音はブレません。(^^;思わず元フルート奏者の後輩にどうして口が外れないのか、音が同じように聞こえるのか訊いてしまいました。(分からないという答えでしたが。。)

会場からは惜しみない拍手が続き、近くの席からカジュアルないでたちのおじさまが太めの声で「イエーイ!」と声をかけていました。クラシックで聞いたのは初めてでしたが、素直な賞賛の現れです。慣れていないと「ブラボー」はかけにくいですもんね。^^

アンコールは協奏曲「夜」の抜粋とバッハから一曲。「バディヌリ」は冗談や遊び、おどけとの意味があるそうです。フルートの主旋律は歯切れが良いというか、ひっくり返りそうに早いテンポで駆け抜けるパユには脱帽です。。ゲストとは言え、3曲+アンコール2曲であのテンションをキープとは心のスタミナもすごいと見ました。(^^;

その後は上層階のレストランでイタリアンを頂いて、正しいコンサートの楽しみ方を堪能した夜でした。コンサートで聴いたばかりの音を大切に抱いて一人帰るのも楽しいですが、たまには感想を言い合いながらご飯を食べてゆっくりするのも良いですね。お腹も気持もすっかりイタリアンに満たされた夜でした。

ベルリン・バロック・ゾリステン with エマニュエル・パユ
Berliner Barock Solisten with Emmanuel Pahud

エマニュエル・パユ(Fl)
ライナー・クスマウル(Vn)、
ヴォルフラム・クリスト(Va/ヴィオラ・ダモーレ)、
ベルリン・バロック・ゾリステン

~オール・ヴィヴァルディ・プログラム~
弦楽のための協奏曲 ト短調RV156
ヴィオラ・ダモーレ協奏曲 ニ長調RV392
4つのヴァイオリンのための協奏曲 変ロ長調RV533
フルート協奏曲 ニ長調RV428「ごしきひわ」
合奏協奏曲 ニ短調RV565
フルート協奏曲 ト短調RV439「夜」
2つのヴァイオリンのための協奏曲 イ短調RV522
フルート協奏曲 ヘ長調RV433「海の嵐」

アンコール
ヴィヴァルディ フルート協奏曲 ト短調RV439「夜」2,3,4,
バッハ     管弦楽組曲第2番 ロ短調 BWV1067《バディヌリ》

パユの協奏曲はここで試聴できます↓(コピペでどうぞ)
http://www.emiclassics.com/releasetracklisting.php?rid=10829

コメント
この記事へのコメント
szellさん、こんばんは!

平日コンサートの後、夜景のきれいなレストランでお食事というのは私としては初めてなんですが、21:00から限定のアフター・コンサートのコースがあり、普通はこれが正しいコンサートの夜の過ごし方なんだ!と悟った訳です。(笑)

とは言え一般受けしない演目を選びがちな私としては、気軽なおひとり様コースの正しくない楽しみ方がほとんどになりますが、それも又良しということで。^^
2007/10/14(日) 23:48 | URL | ろめいん #VWFaYlLU[ 編集]
コンサートに行くたびに、チラシを目にしてたので「パユかぁ・・・」と一枚だけチラシを残していましたが、12日だったんですね。 別のコンサートとバッティングしてるのにも気付かず、チラシを眺めてるんですから、如何に真剣に見てないかですね。(^^; やはり、心を入れ替えないと、中々足が向きそうもありません。 ロービーの様子、オバチャンたちがCDに殺到する姿、目に浮かぶようです。(笑) 「正しいコンサートの楽しみ方・・・」、ということは終演後、仕事じゃない限り飲んだくれてる僕は、正しい楽しみ方をしてたってことですね。自信を持ちました。 (爆)
2007/10/14(日) 10:58 | URL | szell #-[ 編集]
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