NYレポートその3:うららかな午後はミュージアムと公園で

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NYでのアートな週末の仕上げはやはりミュージアムかギャラリーでしょう。一日たっぷり過ごせるのであれば、メトロポリタン美術館で壮大な美術史の流れをフルに味わったり、MOMAで現代アートのインパクトを受けるのも良いもの。時間に限りがあるなら、テーマごとに沢山ある美術展に行くのがお勧めです。

今回はアメリカの現代美術に照準を合わせ、マディソン街にあるホイットニー美術館に出かけることにしました。

美術館とミュージアム・ストアを巡る合間にセントラルパークで日向ぼっこした日曜についてはつづきからどうぞ。

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モダンアートならもう少しアップタウンにあるグッゲンハイム美術館にも誘われますが、一か所だけというならぜひホイットニーに行きたかったのです。ここのコレクションには学生時代に影響を受けたジョージア・オキーフ(巨大な花や、ニューメキシコの風景で有名)があり、またアンドリュー・ワイエスやエドワード・ホッパーもあるとのこと。マディソンをアップタウン・サウスにむかって歩きます。

5番街の喧噪のなか、荘厳であり続けるセントパトリック教会。重々しい扉を開けると中では礼拝が行われていました。ミサの邪魔にならないようにそっと平和への祈りを捧げて、不信心者は世俗的な世界に戻ります。

デパートや専門店、ショッピングビルが建ち並ぶなか、日本にはないお店を探すとAbercrombie & Fitchがありました。男性の上半身ヌードなど刺激的な広告写真で有名なkの店を覗いてみると、エントランスでは広告から抜け出したような男性モデルに遭遇。腹筋を見せびらかすようにシャツをはだけて、買い物客との写真撮影に応じていました。さすがにこういうパフォーマンスは日本で見たことがありません。(^^;。

そそくさとアバクロを後にして、セントラル・パークの横を通り本来の目的地、ホイットニー美術館へと向かいます。常設コーナーではアメリカの現代美術史をいくつかのフェーズに分けて解説しており、難解で敬遠しがちなモダンアートを普通の人に理解しやすく落とし込む工夫に感心しました。モダンアートというと、若者が対象かと思いきや、ミュージアムの会員らしい年配の常連さんが多かったのは興味深かったです。常設展ではオキーフは2点しか展示していなく、ワイエスは探せませんでしたが、ホッパーはメジャーな作品を見ることができ、図版で見るのとは違うインパクトを感じました。


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ここには常設展を目当てに行った訳ですが、最も印象に残ったのは新進のアーティスト、キャラ・ウォーカーの特別展でした。この展示会まで全く知りませんでしたが、1969年生まれのアフリカ系米国人の彼女は切り絵や影絵のインスタレーションで有名な美術家だそうです。先入観なくひと通り見た段階では、きり絵のノスタルジックな美しさと、アフリカ系米国人のルーツを誇大に主張するメッセージ性のギャップにいたたまれなかったのですが、たまたま始まったキュレーター・トークに参加して、作家の試みをなぞる事により、作品をより正しく理解することができました。美術は二次元の芸術だから時間的に一定だと思っていましたが、それを経験するということは空間や時間の軸にも関わるのだなと妙に納得してしまいました。

カーブのついた白い壁いっぱいに張り出した黒いシルエットは、まずはそのファンタジックな形式美で観る者の目を奪います。惹きつけられた意識は、やがてモチーフに人種間のステレオタイプとデフォルメされた人間の醜悪さを認め、居心地の悪さを感じます。ウォーカーのテクニックな見事なもので、ほとんど人が彼女の術中にはまることでしょう。

影絵を一歩進めた試みであるOHPでの投影やビデオのインスタレーションはインドネシアあたりの影響を感じさせ、シンプルなフォルムが暴力的にメッセージ性を伝えます。初めは自分には遠いと感じた極端な主題を、歪められた歴史観や個人を無視したステレオ・タイピングを切り口に解釈したとたんに、作品との距離が急速に近づいたような気がします。この関係性を結ぶことが現代アートを体験する事かと目が開かれました。

そうして感性を刺激された後は自然に包まれるのが一番。ミュージアムからセントラルパークはすぐそこです。馬車がぽこぽこ歩き、自転車が走り、リスが逃げ、子供が遊ぶ公園はニューヨークの宝です。デリで買ったパンと朝食の時に取ってきたリンゴがあれば、すっかりピクニック気分です。柔らかい秋の日差しのなかにひらひらと舞う落ち葉。爽やかな空気にマンハッタンの真ん中にいる事をしばし忘れてしまいます。ベンチで休んだあとはミュージアムショップへと向かいました。

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今回はMOMAに行けなかった分、ミュージアムショップだけは覗こうと更に歩きます。クリスタルガラスにLEDを埋め込んだネックレスは話の種になりそうで迷いましたが、ネタにしてはお高いので断念。また、ショップの奥に無印のコーナーがあるのには驚きました。ロックフェラーセンターにあるメトロポリタンのミュージアムショップは時間切れで外から眺めるだけでしたが、こちらも楽しそうでした。結局買ったのはホイットニー美術館でポストカード数枚とピクチャーブック。洒落たお土産を探しに行ったのに、買ったのは自分のお土産だけになってしまい残念。

その後ヤンキースの公式ショップを冷やかし、一枚数十ドルのTシャツと6枚で十ドルのTシャツの違いを確認しつつ、結局お土産はドラッグストアやディスカウント化粧品ショップで済ませてしまいました。自分ばかり楽しんでおすそわけができずにすみません。(^^;

ホイットニー美術館の公式サイトはこちら
http://www.whitney.org/

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