溌剌としたチャイコフスキーで充電:レニングラード国立歌劇場管弦楽団

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各所で夜更かしばかりして大丈夫?と言われる今日この頃。
寒い夜に寝不足なのは危険ですよね。一週間に1回位はちゃんと寝ないといけません。
年末の疲れを取るのは生演奏が一番!?との一念で行ってまいりました。

別に今年の年末はチャイコフスキーで決まりと思った訳でも、レニングラードに思い入れがある訳でもませんが、24と26日は同じオケでした。チケットを押さえたのは今日の演目が先、バレエの方は楽団までは気にしておらずで、同じオケとは当日まで気がつきませんでした。

ところで、この公演のチラシのキャッチコピーは:
      聴け!怒涛のロシア音楽!!
解説文の見出しは:
      炸裂する激情と迫りくる情感、尽きることのない哀切。
      今、チャイコフスキーの「神髄」を聞け

なにやらベタで怖いですが、選んだ理由は単純に、メインの「悲愴」が好きなのとゲスト・チェリストの古川展生さんです。神髄が聴けたかどうかは定かではありませんが、チャイコフスキー・プログラムの感想は続きからどうぞ。
バレエの時にオケピットに閉じ込められていたオケメンバーを見ていたせいか、舞台の上ではのびのびとして見えます。ファッションセンスはバラバラで都会のオーケストラの洗練はありませんが、ロシアな風格を感じさせます。指揮者のアニハーノフ率いるこのオケは毎年のように来日しているためか、客席とも馴染んだ雰囲気が感じられました。

最初の曲、イタリア奇想曲ではクラリネットやファゴットの晴れやかな音が印象的。大円団な終わり方に、指揮者も外野にクリーンヒットを飛ばしたような格好でラストを飾っていました。^^

次はチェロ協奏曲のような、ロココの主題による変奏曲。黒いシャツとパンツで現れた古川さんが良ーく見える席だったので、ビジュアル的にも堪能させていただきました。彼の音は期待通り豊かでやや甘く、音階を弾いてもらうだけで癒されそうです。

この曲は初めて聴きますが、音の高低差が大きい上、いろんな表現が現れる変奏なので、難易度が高い事は素人でも分かります。あとでチャイコフスキーコンクールの課題曲と聞いて妙に納得してしまいました。独奏ではどこまで音が出るか限界探しの様なフレーズがあったり、その後フルートと美しく絡んだり、音を出すだけで大変なのに、丁寧に最適な音を出して描いて行く変奏の妙にぼーっと聴き入ってしまいました。技巧と歌心を併せ持つ古川展生さんに会場から惜しみない拍手が送られました。

前半最後の曲はおなじみのスラブ行進曲。不安なムードでゆっくり始まり、どんどんパートが加わり、やがて一糸乱れぬ演奏となります。トランペットの音はもちろん印象的ですが、個人的にはフルートなどの木管も耳に残ります。愛国的な曲なせいか、指揮者というより指揮官のように追い込みをかけ、途中カタイラ張りのジャンプもあり(笑)、爽快感あふれる行進曲となりました。知識が少ないのでここが違う!と特定できないのですが、いつもと違う、アレハーノフならではのスラブ行進曲でした。

そしてラストは悲愴。これは今年のラ・フォルジュルネで作品紹介のような感想を書きましたが、その時のウラル・フィルのやや淡々と抑えた演奏とは違い、王道な感じの悲愴でした。根拠は自分の中のデフォルト、カラヤン・ベルリンフィルの演奏と比べて違和感がなく、センチになりすぎず、乾いてもないのでそう感じたのですが。。

アニハーノフはこの曲には指揮棒を使わず、両手・両腕・全身を使って渾身の指揮を見せます。オケは定番曲のせいか、落ち着いて仕事に取り組んでいる様子。ちらしのキャッチ・コピーから想定されるような過剰な演出はなく、スコアの行間から微妙な陰影を掬いだそうとしているようでした。

第一楽章はじわじわと靄がかかるようにじっくりと始まります。チャイコフスキーのダイナミックスとドラマ性はいかに大きな音を出すかではなくて、いかに小さく出すかだな。。という思いに捉われながら聴く方もシンとします。やがて現れるオーボエの音色が美しく響き、木管の受け渡しがきれいです。

第二楽章と第三楽章は乾いた淡々とした感じが好きなんですが、このあたりは演奏に安定感があり、指揮者は手の指から全身までを駆使して音量調節に余念がありません。第三楽章ではマーチが炸裂して、カラ元気も最高潮。あまりに盛り上がるのでフライング拍手が起こるか?と身構えましたが、良く分かったお客さんばかりで余計な心配でした。

第四楽章では波のように弦が揺れ、パーカションが張り切り、嵐が訪れては去って行きますが、やがて置き去りにされた様な静けさが会場を包み、指揮者の肩がゆっくり落ち切ります。観客が止めていた呼吸を再開したとたんに大きな拍手が沸き起こりました。

良い意味でキャッチ・コピーを裏切ってくれた演奏会。
べたべたした情感は感じられず、鮮烈な迫力と爽快さを併せ持つチャイコフスキーでした。
バレエとのセット組でもバラ売りでも頑張って売り出し中のレニングラード国立歌劇場管弦楽団にハラショーとブラボーを送りたいと思います。^^

聴け!怒涛のロシア音楽!!~チャイコフスキー選集~
指揮:  アンドレイ・アニハーノフ
チェロ: 古川展生
管弦楽: レニングラード国立
演目:  イタリア奇想曲
ロココの主題による変奏曲(チェロ演奏:古川展生)
スラブ行進曲
交響曲第6番「悲愴」
(アンコールなし)
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