行ってきました宝塚:星組公演 「エル・アルコン―鷹―」

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8月の記事にてご紹介したこの舞台、原作の大ファンで昔は宝塚をよく観に行っていた身としては是非観ねばと、久しぶりに東京宝塚劇場に向かいました。管理人・ろめいんは青池保子の描いた 「エル・アルコン―鷹―」と冷たい眼の主人公、ティリアン・パーシモンを長年ひいきにしていまして。そのティリアンを舞台で見られるのを制作発表からとても楽しみにしていました。

この作品の個人的な見どころは、ティリアンの悪の魅力を宝塚がどう料理し、表現するかでした。この題材は歴史的な大作という意味では宝塚らしい題材ではありますが、清く正しく美しい世界感では描ききれないところに難しさがあります。浪漫はあってもロマンチックではなく、純愛がないのが最大の課題。原作ではルミナスとティリアンの正義対悪の戦いが中心でしたが、舞台では野望に生きるティリアンと女海賊のロマンスを主軸に据えたのは理解できます。原作の中では野望、陰謀、誘惑、裏切り、破滅の流れの中で悪役の魅力が輝きますが、宝塚の世界観の中でどう表現されるかが、とても楽しみです。

今回は久しぶりに観る宝塚の感想というよりは、原作の舞台化についての感想だと思ってください。最近の宝塚の生徒さんのことや星組のことは全然分かっていないので、間違った認識があるかもしれませんが、お許しを。

原作未読の方には理解不能と思われるディープな感想で、ネタバレ大ありですが、これから舞台を見る方は予習がわりになるかもしれません。(笑)ご興味のある方は続きからどうぞ。

ElHalcon.jpg
久しぶりの宝塚歌劇!
改装後の東京宝塚劇場はとてもきれいになり、昔とは様変わり。女性比率の高さやお手洗いの込み具合は相変わらずですが。飲み物持ち込みOKや、飲み物の値段のリーズナブルさは他の劇場に比べると敷居が低く感じられます。席は二階席前方でとても見やすかったです。

豪華な舞台装置
舞台は緞帳からネイビーブルーの鷹で始まり、場所の設定は港、艦の上、キャビンの中、法廷、屋敷、墓場、島などめまぐるしく変わります。一場一場が短く、あっという間に舞台転換だし、衣装の早変わりは当たり前という非常にハイテンションなものでした。艦のマストは切り倒され、絞首台があっという間に十字架に変わる、波の映像で海の雰囲気を出し、最後は黒い羽根が舞い。。セットの豪華さは今回だけなのか、以前に比べて最近は格段に良くなったのかは知りませんが、とにかく大道具さん、お疲れ様でした。(^^;

ストーリーはてんこ盛り
原作のあれだけの内容をどうやって一時間半ほどのステージに詰め込むのか想像がつかなかったのですが、脚本は相当頑張っていたと思います。原作を読み込んでいる身としては、人物の関係も流れもよく分かりますが、予習なしの方は見ていて忙しかったことでしょう。例えば、物語の重要な柱である、ティリアンの父についても、少年の時のティリアンが刺してしまった父はその後亡くなり、母がパーシモン卿に嫁いだ事や、ジェラード・ペルーが本当の父らしいとか、原作未読の方にどこまで伝わったかちょっと不安。もちろん決めのセリフにはそのニュアンスはしっかり込められていたので、そこをしっかり聞けば分かったはずですが。

華麗な衣装とピンポイントな萌どころ
期待に反して(笑)ティリアンは紫や柿色の衣装は着ていませんでしたが、お召し変えの回数はダントツ。ポスターにも使われている軍服っぽい黒や、プリマスでの赤と黒、豪華なガウン姿や(家でもゴージャスv)、最後の白い衣装もなども素敵ですが、管理人のお気に入りは右袖が三段パフスリーブで左肩がマントになった紺とゴールドの衣装です。ディテールとしては袖口の白いレースや、たなびく黒髪にもすっかり魅了されてしまいました。

娘役さんの衣装もみなイメージ通りですが、ギルダは特にぴったりでした。アクティブな赤いドレス、ストイックな黒いドレスも良いですが、白いドレス姿が特に綺麗でした。これは首が長くて腰が細くないと似合わないんだろうなとうっとり。

安蘭さんティリアンは成功!
ダーティー・ヒーローを演じきった安蘭けいさんはとにかく素晴らしかった!
マントを翻した立ち姿、颯爽で精悍な身のこなし、冷たくて強い眼差し。。冷酷でいて、自分には関係ないとと言い捨てるセリフに秘めた情熱が垣間見えるのが堪えらません。歌舞伎の女形が究極の色っぽさを表現するように、タカラヅカの男役さんは女性の思う男性の理想形を体現していますが、安蘭さんのティリアンは本当に素敵でした!あの衣装で剣を振るうのは大変だと思います。あとひと月公演がありますが、肩コリ・腰痛にはお気をつけてください。(^^;

もともと原作を描くにあたり、「エロイカ」の祖先、ルミナスの敵役として描き出したティリアンに青池さんが自らキャラ萌してしまい、主役として書きなおしたとのこと。野望を追い冷酷非道につき進むティリアンですが、自分の命にまで執着心がないほどの潔さに観る者はいつしか惹かれてしまいます。そんな風にティリアンに感情移入してしまう事がこの作品の魅力そのものですから、演ずる安蘭さんだからこその成功だと言えるでしょう。

休憩中の飲み物の列で、前に並んだ二人連れが「あの冷たい目がイイよね」と言い合っていたのを、後ろで激しくうなづきながら聞いていました。

各キャラクターの魅力
相手役の女海賊ギルダを演じた遠野あすかさんは男前な女性で、ティリアンが心をうごかされるのも納得。宝塚的な枠を超えたヒロインといえるでしょう。ルミナス役の柚希礼音さんは甘い正統派ヒーローを好演していました。内面を描くシーンが少ない中、仇打ちに燃える正義感な青年として、アンチヒーローの影を深くすることに貢献していました。

娘役さんは皆奇麗でしたが、ペネロープは気が強く、ティリアンの母イザベラは若すぎるくらい、シグリットは妖しく(ティリアンを誘うシーンが見たかった!)それぞれ違った魅力があります。キャプテン・ブラックはハンサムで、水夫さんたちはイケメン。海賊さんたちは楽しそうで、エリザベス女王はコミカルで、スペインのみなさんは威厳があり、それぞれにキャラが立っていました。

突っ込み所はありますが。。
原作にないパーシモン卿の後妻候補のジュリエットちゃんを登場させたのは、タカラヅカ的展開なのでしょうか。ルミナス(というかレッド)にくっついて海賊の仲間入りをしてしまうのはご愛嬌。(笑)

ラスト近くでティリアンとギルダが純愛チックに惹かれ合い「連れてゆく」というセリフに、えぇっ!と驚きつつ、ギルダが倒れて納得。誤ってレッドが差したという設定は仕方ないとして、幼い頃に出会っていたというオリジナルエピソードは個人的には微妙。。短剣を渡すのが象徴的なのでしょうが、あれほど慕っていたジェラード・ペルーを切り捨てたくらいですからねぇ。。

ギルダのリベンジ未遂を描いた「テンペスト」での最後の描き方が好きだったので、どうしても個人的な思い入れが出てきてしまいますが、ストーリーにはいくつかの飛躍がないと納まらないですからね。これ以上突っ込むのはやめておきます。

ラストを飾ったのは、やはり愛
愛する艦を焼かれて、レッドとの最後の戦いに倒れるティリアン。エル・アルコンとともに一人で散る覚悟の彼を最後まで支えたのは、腹心の部下ニコラス。野望のためには道を選ばない彼も、部下からの信頼は厚く、特にニコラスにとっては子供の頃からの憧れの人でした。歴史的にもこの後、キャプテン・ドレークが率いる英国艦隊の前に無敵艦隊は壊滅し、海の覇権はスペインから英国に映り、大きな意味でもティリアンの野望は敗れ去る訳です。
最後には海賊として海に再び出るレッドを描き、正義は勝つことを示します。そして最初に出て来た、ティリアンの少年の頃の思い出と野望に生きる決意を再現します。舞台のラストは天国でしょうか、白い衣装をまとったティリアンとギルダが共に海へ乗り出します。タカラヅカ的世界ではこういう形で終わらせるのがありなのね、と拍手を贈りました。

レビューも楽し
レビュー・オルキスはサブタイトルが「蘭の星」ですが、星組で安蘭さんが主演というのは偶然だそうです。掴みはおじいさんとおばあさんのコミカルな動き。まさかと思いましたがやはり主演の二人でした!ラテンな恋のさや当てに環境問題やSFをちりばめた、ストーリー仕立ての楽しいショーでした。

振付家はアルゼンチンの有名な先生というので、本格的なタンゴを想像していたら、ラテン風ジャズダンスといった感じでした。伴奏がピアソラのリベルタンゴみたいだったりして、ラテンテイストでも情熱的というよりは洒脱な雰囲気をつくっています。男役さんのカラフルなスーツやタキシード姿が素敵、娘役さんもきれいだし、ラインダンスも揃ってるし。。みんなスタイルが良いから絵になりますね。最後の大階段も美しく決まり、やっぱ宝塚っていいな~と思いました。今回は久しぶりでしたが、一度行くとまた観たくなりますね。

ついでにぼそり
ところで、この舞台が大ヒットしたら、続編として「エロイカより愛をこめて」が舞台化されるなんて噂。。ないですよね?(笑)主役二人は良いとして、出演者はミーシャとかジェイムズくん、部下達だし、衣裳もエロイカ以外は背広ばかりで地味だし。。そもそも女性はほとんど出てこないし、主役は女っけないトーヘンボクとホモだし、男女の恋愛は皆無だから宝塚ではさすがに有り得ませんね。ちゃん、ちゃん。♪(^^;

☆宝塚歌劇星組公演☆

NTT東日本・NTT西日本フレッツシアター
グラン・ステージ 『エル・アルコン―鷹―』
~青池保子原作「エル・アルコン―鷹―」「七つの海七つの空」より~

脚本・演出: 齋藤吉正
主な配役: ティリアン・パーシモン…安蘭けい、ギルダ・ラバンヌ…遠野あすか、ルミナス・レッド・ベネディクト…柚希礼音

NTT東日本・NTT西日本フレッツシアター
グラン・ファンタジー 『レビュー・オルキス―蘭の星―』
作・演出: 草野旦

東京宝塚劇場公演日程
2008年1月2日(水) ~ 2月11日(月)

秋田書店の関連商品
「プリンセス」2月号1月6日発売
巻頭カラー頁で、安蘭けいさん・遠野あすかさん・柚木礼音さんと原作者の対談記事と
6ページの宝塚レポート漫画あり。

「プリンセスGOLD」1月特大号 12月15日発売 
プレミアム別冊ふろく「エル・アルコンー鷹ーテンペスト」
宝塚歌劇化記念132頁
コメント
この記事へのコメント
同志、はーもに~♪様

気合いの入ったコメント嬉しいです!

オークションで探したら、良い席が2席あったので、即落札しました。アドバイスありがとうございました!^^

いやはや、早回しみたいな舞台でしたね。(^^;
何も知らずにふらっと来た人はたぶん目が回ったと思いますが。(笑)原作マニアはたぶんついて行けたでしょうし、宝塚マニアさんはちゃんとコミックスとパンフで予習・復習をされていると思うので大丈夫でしょう。

はーもに~♪さんの叫びにはほぼ同感で、突っ込み所は満載ですが、そもそもタカラヅカ的な世界に入れ込むのに無理があるので、片目をつぶって想定内かなと。。私的には安蘭さんを通じてティリアン様に会えただけで満足でした。

>私は、このロープを誰にも引かせはしない」ってヤツ、
>よかったわ~(うっとり♡)
ホント、ここはうっとり。幾重にもロープがかかっている事を自覚していながら、あれだけ慕っていた父かもしれない人を吊るす!そのあと、母上のもとにジェラード・ペルーを送りますと優しく言うところにくぅ~っときてしまいます。そう書く私の方が鬼ですね。。

ブロードウェイでの舞台化だったら、ハンギングも見せるかもしれないし、誘惑シーンもたっぷり(やっぱりシグリットと若ティリアンでしょう!)、ニコラスとのやり取りも思わせぶりだったりして。(すいません、腐ってます)

学生時代は宝塚の台本を読んで演技をつけたり、歌の練習をしましたね~。最も熱心だった二人はジェンヌになったりミュージカルに出演し、他の友達も音楽関係の仕事についているので、才能なかったのは私だけです。。(^^;

エロイカはジョークとして、続編はアルカサル-王城-にしてもらって、今度は女性とっかえひっかえの宝塚新ヒーローなんてね。やっと完結したみたいなので、大人買いして読みなおそうかな。(そこかい)

のだめ@宝塚、いいですね。黒羽根のところで、指揮コンやれると思いました。ジャンには白バラ飛ばて、カタイラは本人飛ばして。(笑)でものだめがヒロインってのが最大のネックになりそう。(爆)

2008/01/16(水) 01:16 | URL | ろめいん #VWFaYlLU[ 編集]
そして、私も同じ写真、写メしちゃいました(階段の踊場のでしょ?)^m^

原作を知っているので、「やっぱ青池先生のストーリー構成力ってすごい♡」とゾクゾクしながら観てましたが…
休憩の時、他のお客様が「なんか、この話、方向性がわからないのよね…」って、言っていたのを聞いちゃった^_^;
たしかに、話が細切れに詰め込まれすぎてて、原作を知らない宝塚だけのファンの人だと、さもありなん、かも。

冷酷さ・老獪さ、無敵艦隊や権力への青臭いような若者の野望、七つの海と七つの空に対する、少年のような純粋なあこがれ、これらが、絶妙なバランスで一人の人間の中に存在しているからこそのティリアン魅力があるんだけど、その辺りが、いまひとつ表現されてなかったかな。(←私的には。)
結局ティリアンが本当に愛しこがれていたのは7つの海と7つの空だけだったんだけど、そこが最後のほうに急にでてきたから…この辺りを最初からもっと出した方が、舞台展開的にはわかりやすかったかもね。

あと、とってつけたようなギルダとの純愛…いらね~!!!(叫ぶ)
ルミナスに無理やりくっつけた後妻候補のお譲ちゃんも、いらね~!!(青池作品に男女のラブはいらないのだ!…え、腐ってますか? )

実の父を吊るすときのセリフ、「私には、お前の首にもロープがかかっているのが見えるぞ」…「私は知っている、私の首に幾重にもロープがかかっていることを。しかし私は、このロープを誰にも引かせはしない」ってヤツ、よかったわ~(うっとり♡)

舞台演出、すごかったですね! ライトで光のカーテンを作って舞台転換するなんて、初めて観たので、びっくり。ちゃんと生のオケでの演奏、っていうのも良かったわ♪
ラインダンスの見事さは、宝塚ならでは、で見ごたえがありました♪
最後に登場する主役たちの背負ってる羽飾りの、あまりの大きさには、つい笑ってしまった(^^ゞ

以前は、職場の友人がファンクラブに入っていて、舞台をみながら、あるいは、その後ご飯やお茶しながら、「あの人はこうゆう人なのよ」って、あれこれ教えてくれたのですが、今回は私一人で、出演者のことを良く知らず…知っていれば、きっと、もっと楽しかったのでしょうね。
(そういえば、お気に入りの方が東京公演に来るたびに化粧前の座布団カバーやらティッシュカバーやら、おそろいで縫ってたっけ…そうしてくれるファンがいる、ってことが、スターのステイタスらしいの^m^)

「エロイカ」は、男だらけでラブも皆無だし、宝塚でやるのは難しいよね。
いつか「のだめカンタービレ」なんて、どうかな?

2008/01/15(火) 23:05 | URL | はーもに~♪ #CFBCjnlI[ 編集]
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