バレンタインに贈る上質な薫り:野原みどりのシューベルト・ピアノソナタ

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相変わらず飛び込み仕事に追われている管理人は、なかなかコンサートのチケットを確保することができません。そんな時、クラシックの師匠であるHくんから14日のチケットを譲ってもらえるとの連絡が!捨てる神あれば拾う神ありです。ちょっと違う。(^^;

シューベルトと言えば歌曲(それもあまり知らないし)、今年のフォルジュルネのテーマだという事くらいしか思い浮かばない。聴いたことがあるピアノソナタは、のだめがマラドーナで弾いた16番だけという有様。またピアニストについても無知なので、ロン=ティボーで一位を取った実力派の野原みどりさんも全然知りませんでした。そんな私がシューベルトのピアノソナタばかりのリサイタルに行くことに不安はありましたが、今まで師匠のお勧めは外れたためしがありません。

今回もお勧め通り野原さんの音色にすっかり魅了され、お気に入りのピアニストがまた一人増えました。ラヴェルのアルバムは予想通り音が多彩で素晴らしいです。師匠、いつもありがとうございます!代わりに楽しんで参りました。^^

期せずしてバレンタインデーを華やかに飾ってくれた野原みどりさんのピアノリサイタルについては続きからどうぞ。

midori.jpg

今回のリサイタルの副題は~ウォールナット・スタインウェイの音色で~とありますが、その名の通り使われたのは明るい茶色のピアノ。このピアノは35年前に購入されたもので、日本にはニ台しかなく、もう一台は皇居にあるとのこと。その上、ついている製造番号が間違っていて経歴が不明という、いろんな意味で幻のピアノ。そんな背景を知らずとも、ピアノの音は柔らかくて深く、野原さんの品の良いスタイルと今回の演目にぴったり合います。それもそのはず、野原さんは朝日ホールでこのピアノの音を聴いて今までレパートリーになかったシューベルトに取り組んだそうなのです。

当日はやり掛けの仕事を見ぬふりをしてオフィスを飛び出しましたが、いつもながら到着時間はぎりぎり。朝日新聞社のエントランスからホールまでの距離を呪いながらも5分前に到着すると2Fの最前列で真ん中からやや左。ピアニストの手が良く見える良い席です。遅刻しなかった事に安堵してドキドキする心臓を休めて、しばし野原さんの描く情景に身をゆだねることにしました。

第13番はどこかで聞いたことがあるような、親しみのある主題が展開されます。優しい旋律の曲に野原さんの多彩な音色が際立ちます。特に転がり落ちて波がさざめく様な第三楽章では音がきらめいていて、私にとっての「のだめ」だなと思いました。シューベルトまだCDは出ていなくて残念ですが、出たら絶対買おうと心に決めます。

第14番では低音部の和音、高音のきらめき、カノン風の主題などが光と影のようなコントラストを描きます。不気味な感じで始まりますが、陰鬱にならないのは野原さんの深く豊かな響きのせいかもしれません。変化に富んだ曲の構成と、野原さんの個性、ピアノの音色の美しさがぴったり合わさった気がします。

第21番は綺麗な旋律が表れては消え、いろいろと展開されてゆくのですが、第一楽章だけで20分という大曲です。シューベルトのピアノソナタが冗長だと言われる所以はこのあたりにある気がします。野原さんは丁寧に音を紡いで飽きさせませんが、第二楽章に入ったあたりで緊張感から解放されて神経が弛緩したようで、記憶が途絶えております。(^^;最後は歌うような流れに軽やかに乗りながらも、コントロールして曲を届けてくれました。

アンコールは即興曲から2曲。初めのD899-3は聴き覚えがある曲。寄せては返す波か、なぜか先週末の雪と風を思いだしてしまいました。コントラストの利いた曲が好きなので、柔らかな中にざらっとした感触が混ざるのが堪えられない。美味しいけどちょっと多いパスタを食べたあとのフルーツ添えソルベみたいにすっきりしました。

次のD935-2は優美で音の重なりが美しい。優しく温かい曲の中で流れが盛り上がりやがて落ち着きますが、野原さんは最後の音の切れ目まで響きを大切にしている事が分かります。食事の後の香り高い紅茶のように、優しい気持ちになりました。

ほんわりとした気分で席を立つと、ロビーでは新作のチョコレートを配っているではありませんか。そう、ホールからのバレンタインのプレゼントです。素敵なリサイタルにチョコレートまでもらって、身も心も温まったバレンタインデーでした。

隠れた実力派の野原さん、もっと聴きたいところですが、来週は都民芸術フェスティバルでラフマニノフの協奏曲第二番を演奏するそうです。行ける方がいたら、ぜひ大人になったのだめ?と思って聴いてみてください。

それから、近いうちにラヴェルのリサイタルも聴きたいです!
H師匠の切な願いとしては大阪でもぜひ!だそうです。(笑)


シューベルト・ソナタの世界
~ウォールナット・スタインウェイの音色で~


公演日時 2008年2月14日(木)19:00 開演
会 場   浜離宮朝日ホール音楽ホール
出演者  野原みどり(ピアノ)
演 目   シューベルト/ピアノソナタ
       第13番イ長調 D.664
       第14番イ短調 D.784
       第21番変ロ長調 D.960
アンコール シューベルト/即興曲
       D899-3 変ト長調
       D935-2 変イ長調
コメント
この記事へのコメント
なつさん

こんばんは!
のだめコンピは聞い事はないのですが、ラヴェルもラフマもきっと綺麗な音でしょうね。

私はリサイタル以来野原さんのラヴェルと内田光子のシューベルトの即興曲をヘビロテ中です。なぜかはまったのはピアノソナタじゃないんです。(笑)

ところで、のだめはいくつになっても個性が溢れ出すぎとは思いますが、野原さんみたいに曲に真摯に向かって欲しいとの願望込みで勝手に大人なのだめ認定してしまいました。^^
2008/02/20(水) 23:46 | URL | ろめいん #VWFaYlLU[ 編集]
野原みどりさん、、、ってどこかで聞いた名前だなと思っていたら、あたしが持っているのだめの最新のサントラ「のだめカンタービレスペシャルBEST」の中で、数曲を演奏している人でした。ラヴェルの「鏡」道化師の朝の歌と、ラフマニノフの3番の一部が、野原さんの演奏でした。

そんなに有名な方だったんですね、、、。
大人になったのだめ、、、気になります。
2008/02/20(水) 15:52 | URL | なつ #-[ 編集]
当日は朝から義理チョコ配りだったので。(笑)
チラシの背景がチョコレート色だったので、ついでに写真に写してしまいました。

今年はフォル・ジュルネもあるし、シューベルトの演目が増えているみたいですね。今回ピアノ曲もなかなか良い事を発見しましたが、演奏者が試されるレパートリーでもありますよね。

20番のリサイタル、是非楽しんできてください。
2008/02/16(土) 18:48 | URL | ろめいん #VWFaYlLU[ 編集]
このキットカットは何だろう?とまず思いましたが、これが会場で配っていたチョコレートなんですね(^^)素晴らしいピアノで素敵なリサイタル、楽しまれたようで何よりです♪私も3月の後半にシューベルトのソナタ20番を含むリサイタルに行く予定です(ピアニストはドイツの方ですが)
ろめいんさんのルポを読ませていただいたら、俄然楽しみになってきました!(笑)
2008/02/16(土) 15:09 | URL | レベッカ #9xsPF1TE[ 編集]
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