オフィス街のひと時の憩い:アトリウム・コンサートwith瀬川玄

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商業施設ではよく見かけるロビーなどでの無料コンサートですが、最近はオフィスビルや駅のプロムナードなどビジネス街で催されることも増えたのは嬉しい事。管理人が良く行くのは日本橋三井タワーでのアトリウム・コンサートです。月に二回催されるコンサートの演目はジャズや雅楽など含め幅広いのですが、私が特に気に入っているのは東京フィルの首席チェリスト、金木さんがプロデュースしているクラシックのセッション。室内楽が中心なのですが、毎回テーマを変え工夫を凝らしてくれます。金木さんは親しみやすい語り口で曲の背景や参加している演奏家を紹介してくれ、変化に富んだ内容は無料で聴くのが申し訳ないほどです。

今週のアトリウム・コンサートのフィーチャーは新進のピアニスト、瀬川玄さん。金木さんのチェロとのジョイントを楽しみました。ベートーベン、ショパン、ラヴェル、チャイコフスキーにうっとりしたひと時については続きからどうぞ。
ちなみに1月に聞いたのは金木さんプロデュースではありませんが、東京シンフォニエッタの音楽監督の板倉康明さんが率いる木管のみのトリオです。トリオ・ダンシュと呼ばれる、クラリネット・オーボエ・ファゴットのリード三兄弟ですね。ベテラン揃いな上、数十年来集まってはセッションをしている仲間の音はまた格別。モーツアルトとベートーベンのほか、イベールやオーリックなど古典から現代まで揃えて、木管好きにはたまらない演目でした!日本でもトップレベルの演奏者で、この演目で無料というのは本当にすごい。三井不動産さん、ありがとうです。^^

2月に聞いたのは金木さんプロデュースの弦楽四重奏の名曲集。ボロディン:弦楽四重奏曲第2番、ハイドン:弦楽四重奏曲「皇帝」、ラヴェル:弦楽四重奏曲スメタナ:弦楽四重奏曲「わが生涯」、ドヴォルザーク:弦楽四重奏曲「アメリカ」と一楽章ずつの贅沢な構成。メンバーは「12人のヴァイオリニスト」の松本蘭さん、東京フィルゲスト首席ヴィオラの青木篤子さん、東京フィルゲストコンマスの泉原博幸さん、そして我らが金木さん。若いメンバーは室内楽が楽しくてたまらないと行った雰囲気で、音を受け渡していました。

曲により第一ヴァイオリンを変わっていたので、華やかな松本さんと瑞々しい泉原さんでは全体の音まで違って聞こえました。またトークではハイドンの「皇帝」やドヴォルザーク「アメリカ」など曲に纏わるエピソードを交えて、聴きどころも抑えてくれます。お話の中で、弦楽四重奏ではなかなかホールが埋まらず、たまにコンサートがあってもメジャーな曲に偏っていると嘆かれていて、室内楽好きの私としては内心「そんな事ない!行きますよ!」と叫んでしまいました。(^^;

と、言ったところで、3月のフィーチャーは若手ピアニストの瀬川玄さん。お父様がリヒテルお気に入りの調律師だったということで、14歳まで欧米で過ごされたそうです。日本で高校と大学を終えた後はワイマールのフランツ・リスト音楽大学に5年間留学し、昨年日本に帰国したという国際派。金木さんの紹介のなかで、音楽の捉え方が日本で育った人と違うと言われていましたが、単に欧米にいただけでなく、お父様の影響で美しい音を聴いて育ったからなのではないかと想像します。プロフィールによると27,8歳のはずなんですが、見かけは20代前半。確かな技術に加え、曲を自分なりに理解して伝えようとする意欲に好感を持ちました。

ベートーベンのモーツアルトの主題による変奏曲では20代の瀬川さんと40代の金木さんが軽やかに音楽を展開してゆきます。見かけは軽やかで楽しげですが、お互いの音に反応している様に音楽を作る現場に居合わせたような気になりました。

次のピアノソロはショパンのバラード1番。若くして祖国を離れたショパンの気持ちについてのお話に続き、見事なバラードを披露してくれました。個人的には感傷的でないショパンが好きなので(ターニャ、ごめん)、勢いに流されずにコントロールが利かせつつも、最も適切な音を自然に出して行く瀬川さんのショパンは好みでした。鐘の音のように響かせたと思うと透明感のあるピュアな音をぽーんと入れ、もっと聴きたいと思ううちに曲が終わってしまいました。3月の頭にフィリアホールでショパンとベートーベンのリサイタルがあったそうで、もっと早く知っていたら!と悔やまれます。

同じくピアノ版のマ・メール・ロアでは美女のテーマと野獣のテーマ、ワルツの場面、魔法が解けたところなどを弾きながら解説してくれ、その後の演奏が分かりやすく楽しく聴けました。子供向けの曲に込めたラヴェルの気持ちなどが伝わります。妖精の園は優雅で可愛らしく、音の色彩が豊かで、映画を見ているようなでした。ベートーベンのような曲からこのような曲までレパートリーにしている瀬川さんの幅の広さを感じます。

最後のロココの主題による変奏曲はチェロの難曲で、実質は協奏曲である曲のオケ部分をすべて担当するピアノも難しそう。それを楽しそう情感を込めて弾く瀬川さんは、伴奏というより、オケをすべて弾いているのでしょう。金木さんは実は大変なんだと種明かししつつも手堅く優雅に曲を紡ぎ、瀬川さんは時にチャーミング、時に力強くサポートします。

日本橋三井タワー アトリウムコンサート
3月 10日 18:30~
金木博幸 + 瀬川玄 ジョイントコンサート

ベートーベン   モーツアルトの主題による変奏曲
ショパン     バラード1番 ト短調 作品23
ラヴェル     マ・メール・ロワより~ 美女と野獣の対話、妖精の園
チャイコフスキー ロココ風主題による変奏曲

4月の金木さんプロデュースのアトリウム・コンサートではヴィヴァルディの四季を全曲やるそうです。夕方のアポは避け、ぜひ行かなくっちゃです!(笑)

瀬川玄さんのブログでも今回のアトリウム・コンサートについて紹介しています。
ドイツ留学中にベートーベンのピアノソナタ全曲演奏会を完結させているだけあり、ベートーベンの曲に関する考察も深くて興味深いです。千秋チックな分析は読むだけで曲が分かったような気になれるかも。^^
http://blog.goo.ne.jp/pianist-gensegawa/e/e875da0e6292e7867c4381e990ace620

5月のリサイタルではマ・メール・ロワを含むラヴェル4曲とムソルグスキーの展覧会の絵を聴かせてくれるそうです。
http://artist.musicinfo.co.jp/~gensegawa/zalle%20Concerts.htm
コメント
この記事へのコメント
演奏している方たちも聴いている人も、いつもとちょっと違う演目にチャレンジしやすいかもしれませんね。楽しみにしている、常連さんが多いみたいです。

私も始めてヴィラ=ロボスを生で聞いて、すぐにCD買いに行ったりしました。思えばチェロに嵌ったのも素敵な曲をここでいろいろ聴いたからかもしれません。

ハンドベルのコンサートも素敵ですよね。クリスマス以外でもぜひ聴きたいですね。^^
2008/03/19(水) 00:07 | URL | ろめいん #ncVW9ZjY[ 編集]
なかなか充実したプログラムで感心します。来週24日(月)も良さそうです。

こういう身近な催しを楽しめるのも東京ならではですね。
私は、同じ三井不動産の神保町のビルのロビーコンサートに出掛けたことがあります。
3年前のクリスマス近くの夕方、ハンドベルとチェンバロによる素敵なクリスマス曲集のコンサートでした。
2008/03/18(火) 00:20 | URL | nomomania #-[ 編集]
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