ヨーロッパ遠征報告その1: 黄金の間でPolliniを聴く至福

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帰国したとたん勢いでのだめ感想をアップした後、しばらくぐったりしてしまい、間が開いてしまいました。レポを待っていた方は特にいないと思いますが、万が一いたら、すみません。(^^;
順不同ですが、音楽感想からアップしてみますね。

仕事で行ってきたのはフランクフルト、チェコといってもプラハじゃない都市、そしてフランス言ってもピレネー山脈のふもと。ウィーン自体では仕事はなかったのですが、都合のよい中間地点として週末を過ごすことができて大変ラッキーでした。

ウィーンのホテルに向かうタクシーの中、人懐っこい運ちゃんはあれがStaatsoper(国立歌劇場)だよと指さしてくれました。「オペラ、コンサート、バレエ、いろいろやってるよ。日本人のあの指揮者、頑張ってるよね~!」と小澤さんのモノまねまでやってくれたのでMusikverein(楽友協会)のコンサートに行くつもりと言ったら、「そりゃ、いい。楽しんでね!!」と気のいい返事。ウィーンの生活にどれだけ音楽が密着しているか分かるような会話でした。

という訳で今回最大の楽しみはもちろんウィーンでのコンサート。ユーロ2008の開催に加え、ウィーン芸術週間という季節に訪問できたのも幸運でした。調子に乗ってピアノリサイタル、ウィーンフィル、オペラと3つもはしごしてしまいましたが、こんなスケジュール一人じゃないと無理だったでしょうね。そんな気ままなウィーン音楽散歩については続きからどうぞ。

pollini.jpg


週末をウィーンで過ごせそうとわかったとたん、だめモトでチケットのサーチを開始。ウィーンのチケットは取りにくいとか高価だと聞きましたが、楽友協会のチケットは公式ウェブサイトから手数料なしで取ることができます。とは言え、人気のチケットは数ヶ月前から売り切れるので、ポリーニとムーティXウィーンフィルというメジャーチケットが自力で手に入ったのは大変ラッキーでした。サイトには一部日本語もあるし、英語が分かればほぼ問題なくブラウズできます。
http://www.musikverein.at/startseite.asp

また、VolksoperのチケットはStaatsoperに比べると外国語の情報が少なかったのですが、現地でチケットビューローに直接電話するとクレジットカードですんなり予約が取れましたよ。さすがに観光客に優しい街です。

verein.jpg

ホテルにチェックインしたら、早速楽友協会でチケットを引き取りに。ID番号、予約番号、そして予約に使ったカードの3点セットと引き換えにチケットを打ち出してもらいます。ついでに建物の中を探検すると、いろんなリハやレッスンが始まるところだったようで、いろんな楽器を持った人々がバタバタと各所に向かっていました。ここはコンサートホールだけでなく、ウィーンフィルやべーゼンドルファーの事務所、リハーサル室などもあるんですよね。「世界中に音楽協会は数々あれど、Weiner Musikvereinは一つだけ」とウィーンっ子が自慢する意味が分かる気がしました。

こちらのコンサートホールは大ホール・別名黄金の間(Großer Musikvereinssaal)とブラームスホール(Brahms Saal)以外にも小ホールがいくつもありますが、ニューイヤーコンサートが開かれる黄金の間で聴くのは憧れでした。演目中心で選んだらバルコニー(79ユーロ:約13,000円)と立ち見(6ユーロ:約1,000円)で極端な楽しみ方をしてしまいました。

言わずと知れた名ピアニスト、ポリーニ(Maurizio Pollini)は今年66歳。70代だと勝手に思ってました。(^^;ミルヒーよりは若いみたいです。

彼については18歳のときにショパンコンクールで満場一致で優勝し、彼よりうまく弾ける審査員がいるか?と言われたという有名なエピソードがありますが、その後さらに勉強を重ねてからデビューしているんですよね。管理人はショパンには感傷的なイメージがあって最近まであまり聴いていなかったのですが、ポリーニのべたっとしない演奏は好みです。

今回のプログラムは、定評のあるショパンの中から前奏曲、バラード、マズルカ、スケルッツォ、ポロネーズ、後半はドビュッシーのプレリュード第1巻を全部という意欲的なもの。重たそうに体を揺らしてステージにあがるポリーニはちょっと皇帝ペンギンのようでしたが、さすがは名ピアニスト。さざめきからうねり、キラキラから激しい嵐まで、ホールの響きを完全に制御しているようでした。プレリュードからバラードへの流れはピュアなピアノの響きがいつしか激しい波に代わり、嵐の海につれて行かれたようでした。マズルカではホールそのものが鳴っているのが分かり、スケルツォなどではあれだけ早く一つ一つの音を違う音色で響かせながらタッチは正確で衰えは全く感じさせません。有名な英雄ポロネーズではテンションをあげながらも全くもつれることなく音を積み上げ、さすがに聴かせてくれます。

ドビュッシーは普通にCDで聴いていると各曲の違いがあまり分からないのですが、生演奏に加えてポリーニの緩急取り混ぜたタッチの妙で魅了されました。「亜麻色の髪の乙女」などは今まで聴いたものと印象が違いすぎて、唖然としてしまいました。今まで曲のよさを聞き取れなかった自分が悪いのでしょうが、いやはや、ドビュッシーって綺麗なだけじゃないのね。。

「冷たい」と言われることのあるポリーニですが、ホールの残響のせいかそんな印象はなく、曲に最もふさわしい音を散らばめて薫り立つような演奏を聞かせてくれました。感動、というよりは音楽の力に圧倒された感じです。

アンコールは4曲もあり、張りつめた雰囲気で全く手を抜かない演奏に感服。最後の曲が終わって一拍置いたところで前方席、真中の女性が小さく「ダンケ・シェーン」とつぶやいたのがとても印象に残りました。

十分な余韻を置いた後、拍手はどんどん大きくなりブラボーの嵐に。最後はほぼスタンディング・オベーションでポリーニもなんどもおじぎをして応えていました。私の座っていた辺りからも低いブラボーが湧いて来たので、思わず参加してしまい、初ブラボーをウィーンで飾ってしまいました。

私からも、素晴らしい演奏をありがとう!

2008年6月6日 17:30~
楽友協会大ホール

M.ポリーニ(ピアノ)
ショパン:
前奏曲作品45、バラード第2番、
4つのマズルカ作品33、スケルツォ第3番、
英雄ポロネーズ

ドビュッシー:
前奏曲集(第1巻)

2008年6月7日15:30~
楽友協会大ホール

ヴェルディ レクイエム
指揮:R. Muti
演奏:ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
合唱:ウィーンフィル合唱団
Soprano B. Frittoli
Alto  L. D'Intino
Tenor R. Vargas
Bass/Baritone T. Quastoff
コメント
この記事へのコメント
szellさんこんばんは!

レクイエム、期待通り良かったですよ~。
感想はまとめ中なんですが、立ち見でも聴く価値大ありでした。自分にご褒美みたいな出張でした。^^
2008/06/17(火) 01:49 | URL | ろめいん #VWFaYlLU[ 編集]
ポリーニにムーティ&VPO、羨ましいです。
ムーティ&VPO、9月に来日しますが、来日プログラムよりも、ヴェルディのレクイエムの方が魅力的です。
素敵な出張でしたね。
羨ましいなぁ~~。(^^;
2008/06/17(火) 01:37 | URL | szell #-[ 編集]
うふふふ。。いいでしょ?^^
実は立ち見のレクイエムとオペラの前にさんざん歩いたので、次の日飛行機に乗ったら足がパンパンで靴が入りませんでしたが、それくらい、なんのでした。(笑)
2008/06/16(月) 23:21 | URL | ろめいん #VWFaYlLU[ 編集]
ポリーニ独奏会、ムーティとWPOのヴェル・レク、それにオペラの三つをはしご、何て素晴しい「中継地」の過ごし方でしょう!!!
2008/06/16(月) 07:35 | URL | nomomania #-[ 編集]
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