A Tribute to Chopin:マリア・ジョアン・ピリス@トリフォニーホール

ここでは、「A Tribute to Chopin:マリア・ジョアン・ピリス@トリフォニーホール」 に関する記事を紹介しています。
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
衝動的にレッドクリフのネタ動画を作ったおかげで、PCの調子が悪化し、真剣に買い替えを迫られている管理人です。(^^;思いついたら、どうしてもアップしたくなりまして…。つまり自業自得ということです。(爆)
おかげ様で再生数も増えていて、驚いたり、喜んだりしてます。

ところで水曜日はブログの主旨?通り、リサイタルに行ってきました♪

コンサート通いにも徐々に復帰しつつある管理人ですが、平日の仕事の後にホールに向かうのは、久しぶりです。後輩の「ちょっと相談に乗ってください」を振り切り、私が振った質問をきっかけに会話を続ける上司の説明を端折らせ、オフィスを脱出して向かったリサイタルは、十分その価値がありました。

ピリスのショパンへの深い敬意を感じたリサイタルについては、続きからどうぞ。


マリア・ジョアン・ピリスと言えば、有名なピアニストですが、彼女が講師を務めたNHK教育放送の「スーパーピアノレッスン」をご覧になった方もいるのではないでしょうか?

彼女は演奏活動のほかに、教育や社会活動にも熱心だと聞いています。私がたまたま見た番組でも、若い人たちに曲の意図を理解し、これだという表現を見つけるよう熱心に伝えている様子が印象的でした。ちなみにNHKではより発音に忠実な「ピレシュ」の表記を用いていますが、ここではコンサート資料での表記通り「ピリス」を使うことにします。

教育放送でも、今回のリサイタルパンフでも一貫してナチュラルな雰囲気を纏うピリスですが、すみだトリフォニーホールでもイメージ通りの姿で現れました。生成りと草木染めのような色と、柔らかい風合いのワンピースは、南欧あたりの田園風景が似合いそうです。チェリストのパヴェル・ゴムツィアコフもペザントっぽいシャツで合わせており、板張りの舞台に立つ二人は姿も音もナチュラルといった印象。素のままの天然ではなく、意識して余計な装飾を排除したような姿勢は計算されたオーガニックと表現すべきかもしれません。

ピリスのアルバムでは、のだめが弾いた協奏曲の入っているショパンのアルバムと、ベートーベンのピアノソナタをよく聞いています。2年前の来日時にもチェックしつつ、あいにく聴けなかったので今回のコンサートはとても楽しみでした。

一人でも十分ホールを一杯に出来るピリスですが、ソロよりも共演での表現を指向しているようです。また、プログラムの構成でも、細部まで拘って組み立てているようです。今回の共演相手は、最近好んで組んでいる相手はロシア出身で34歳のゴムツィアコフ。今年65歳になるピリスはデュオとソロでそれぞれどんなショパンを聞かせてくれるのでしょうか。

開演前のホールは大変な期待感に包まれていました。トリフォニーに並んで入ったのは初めてかもしれません。扉前で係りの方から渡されたのは公演のパンフレットの他に、ホールから来場者に向けての手紙でした。そこには今回のプログラムは、ショパンの晩年3年間に書かれた曲と、リストの曲で構成されていることに加え、最後に演奏される曲はショパンの絶筆に当たることと、作曲家の最後の“声”に敬意を表してアンコールがないことが記載されていました。さらに開演前には、曲の間の拍手についても遠慮してほしいとのアナウンスがあり、ピリスの拘りが少しずつ見えてきました。

板張りの舞台の中央にあるのはピアノと、向かって左にはチェロの演奏台とイス。そこまでは良いとして、向かって右には椅子がニ客と深緑のクロスがかかったテーブルがありました。チェリストが合間にそこで休むにしても、なぜニ客?まさかトークがあるとか?と脳内で突っ込みつつ、演奏が始まりました。

最初の曲、エチュードはピアノ曲を編曲したもの。安定したチェロの音色が暖かく響き、多分妄想癖のある管理人の幻覚(笑)ですが、曲の初めの方では、木の香りまで感じてしまいました。ゴムツィアコフのチェロには、「どうだ凄いだろう」という顕示欲は感じられず、真摯に最適な音を探し、届けているような印象でした。

次のピアノソナタ3番は好きな曲でしたが、ピリスは期待以上の演奏を聴かせてくれました。ある時は快活で勢いが良く、きらきらとした音運び、次の曲では霧に反射する月のように音が拡散するなど、曲想の違いを弾き分けながらも、全体としての構成を聴く者に届けていました。とりわけ感心したのは、あらわれては消える主題のニュアンスの微妙な違いや、ラルゴで雰囲気ががらっと変わり違う世界に連れて行かれたこと。彼女は作曲家の理解と、深い譜読みで知られていますが、素人の私にも少しだけその違いが感じ取れたような気がします。

前半最後の曲はショパンへの称賛として選ばれたリストの曲。ワーグナーの詩の予感を感じて作曲されたこの曲からは、ショパンの死に対する遺憾が確かに伝わってきました。チェロとピアノが交互に会話するように旋律が流れ、静かさが際立つように悲しみが湧きたちます。

休憩をはさんでマズルカをニ曲。短い曲ながら美しく弾き分けていました。次がメインの演目である、チェロとピアノためのピアノソナタ。ピアノソナタ3番でも思いましたが、ピリスは曲に一瞬の無音を入れて、曲に句読点を打っているようです。それぞれの曲の最後でも、音が消える瞬間までを厳密にコントロールし、全体として聴かせたい世界観を伝えます。これは初めて聞いた曲なので、はっきり捕えられませんでしたが、それぞれの曲が違う色彩を見せて、全体として情景を表していました。ピアノを追求したショパンは晩年に書いた曲としては意外でしたが、ピアノが伴奏に回らず、二つの楽器で演奏されるソナタといった感じなのはショパンらしいのかもしれません。

最後の曲は病床で書かれたマズルカ。リサイタルの最後を飾るのに相応しい、寂しさが漂うマズルカでした。客席は最後の音が消えた直後に拍手を躊躇してしまいましたが、その間にステージのライトが落ち、すぐにまた照らされた時には笑顔のピリスとゴムツィアコフが立ち上がり、私たちも大きな拍手を送りました。

ステージ上のニ客の椅子はチェリストと譜めくりの男性がソロピアノの際に待機する場所でしたが、曲間に拍手がないこともあり、ピアノソロが終わりそうになるとゴムツィアコフがそろりとステージ中央に歩きだしていました。二曲目の待機では、チェロを横向きに寝かせ、弓を上に置いて本格的に休ませている様子がユーモラスでした。

二人の演奏とその構成から、彼らのショパンへの敬意が伝わり、まるで祈りを捧げる場に同席したような気がするほど、その態度は真摯なものでした。素晴らしいリサイタルに改めてブラボーを贈りたいと思います♪

ちなみに、管理人は彼らの協奏曲プログラムも聴く予定です。
ベートーベンのピアノ協奏曲2曲と、シューマンのチェロ協奏曲というプログラムがますます楽しみになってきました。^^


マリア・ジョアン・ピリス・プロジェクトin Triphony Hall 2009
第1夜:リサイタル

日時
2009年4月22日(水曜日)

演奏
マリア・ジョアン・ピリス(ピアノ)
パヴェル・ゴムツィアコフ(チェロ)

曲目
ショパン(グラズノフ編)/エチュード第19番 嬰ハ短調 作品25-7(チェロとピアノ)*
ショパン/ピアノ・ソナタ第3番 ロ短調 作品58
リスト/悲しみのゴンドラS.134(チェロとピアノ)*
ショパン/マズルカ 作品67-2、作品67-4
      チェロとピアノのためのソナタ ト短調 作品65*
      マズルカ 作品68-4
コメント
この記事へのコメント
はーもに~♪様、
ショパンに反応ありがとうございました。

青柳さん、理知的でカコ良いですね~。思わずチェックしちゃいました♪ぜひガン見の結果を教えてくださいね!

今回聞いたショパンの協奏曲3番は、のだめがアパルトマンで千秋と特訓していた時の曲です。ターニャがラルゴを「がっつり、うっとり」と言ってはユンロンに自己陶酔プレイと切り捨てられた時の。。今回聞いて、確かに第三楽章がべったりしてたらTooMuchだなと思いました。

はもさんちのPCのご様子がいかがですか?うちのは気まぐれなので、Windows7までは持てそうにありません。GWに買い替えしなくっちゃです。(^^;

新型インフルは鳥だと思い込んでいた分、対応に戸惑いがあったようです。春になって緩んでいたのもあるかも。。各地で冷静に対応し、これ以上の伝染を抑制して欲しいですね。
2009/04/29(水) 11:15 | URL | ろめいん #VWFaYlLU[ 編集]
いいですねぇ…ショパンのコンサト♪
4月12日の「題名のない音楽会」でショパンのノクターンを特集してました。
その時、「チェロとピアノのためのソナタ」もやっていましたよ。
なんでもフランショームというチェリストが、晩年のショパンを最後まで面倒をみて、彼のために書いた曲だとか…。TVでやっていたのは3楽章だけでしたが、とても優しい、きれいな曲ですね。

私は同じ番組に出演されていたピアニストの青柳晋さんにヒトメボレ(*ノ▽ノ)してしまい、番組を見た後、即行でリサイタルのチケットをゲトしてしまいました。
私がソリストのリサイタルに自腹で行く時は、ルックス重視ですが…何か?(いえ、ピアノも良かったです)
リサイタルでガンミしてきますv-238
ちゃんと、ショパンとリストも楽しんできますよ♪w

豚インフル、心配ですね。
どうぞくれぐれもお気をつけて。
2009/04/29(水) 09:42 | URL | はーもに♪ #CFBCjnlI[ 編集]
つくし様、ご無沙汰しています!

コメントありがとうございました♪
のだめ音楽会とはなんと羨ましい~!
一度行ってみたいと思いながら縁がなくって。。
無事お仕事を乗り切って、行かれますように~。
うんと楽しんで来て下さいね。^^

豚インフル・・対応策なども仕事なので、ここのところその話題で持ち切りです。防ぐ方法は普通のインフルと同じなので、マスクは常備された方が良いと思います。まずは「うつらないようにする」ですから。それと「うつった人は医者に行き、人が大勢いるところに出ない」ですね。早く収まることを心から祈ってます。

出張予定は今のところ6月なのですが、ヨロパで豚インフルが流行りませんように…。
2009/04/28(火) 07:49 | URL | ろめいん #VWFaYlLU[ 編集]
久々にパソコンの前に座りました。
リサイタル・・いいですね~~
今日は『のだめカンタービレの音楽会』を楽しむ予定なのですが、仕事が入りそうで「ドキドキ・ヒヤヒヤ」しています。
「神様、どうか仕事が無事終わり音楽会を楽しめますように・・・」と、こんな時だけ神頼み・・・?

しかし、今日は朝から『ブタインフルエンザ・フェーズ4へ・・・』の話題。
大変です。
マスクは必需品?苦手なんですが・・・

ろめいん様、海外出張が多い様ですが、お体ご自愛下さいね。
2009/04/28(火) 06:54 | URL | つくし #-[ 編集]
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
http://intermissionbyromain.blog76.fc2.com/tb.php/264-ea1d836a
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
この記事へのトラックバック
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。