素人的リサイタル感想:アンジェラ・ヒューイット

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オペラシティにアンジェラ・ヒューイットのピアノリサイタルに行ってきました。
演目に惹かれて譲ってもらったチケットだったので、彼女について事前に調べたのはこれくらい。
1)カナダ人で、バッハの評価が高い
2)ファッツィオーリという幻のピアノを好み、この夜もわざわざ調達させた
3)顔が田中真紀子に似ているらしい(笑)

コンサートのパンフレットにはよく「多彩な音色、洗練されたピアニズム」なんて表現がありますが、素人としてはピンと来ないこともあります。(笑)今回はうたい文句どおりと納得したリサイタルでした。

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ヒューイットは奇をてらわず、一曲ずつ丁寧に端正に弾いて行きます。聞き手はそれを辿って、全てを聞き終えた時に初めて全体が見えるという印象です。綿密に計算した全体像を築くため、一つずつの曲は抑えていたような気がしました。

ヒューイットは素朴な感じの人で、技術的にはすごいんだろうと思うことをさらりと弾いてのけます。田舎の学校の先生が激早タイプライター(古っ)を打って、実は心のヒダに入り込むような小説を趣味で書いているようなイメージを勝手に持ちました。

今回は日本でのリサイタルは1夜限りだったそうですが、ヒューイットの強い要望で日本に5台しかないイタリア製のファツィオーリ・ピアノを持ち込んだそうです。Wikiによるとこのモデルは世界最大のピアノで、4本目のペダルで弱音の調整が出来るとか。細かい部分は聞き分けられませんが、うわさ通り音が全然違いました。音域で音色が変わらないというのが特長らしいですが、低音の響きが濁らずに重なるのに対し、高音はクリアで、強く叩かなくても良く通る印象です。ペダルについては足もとが見えずよく分かりませんでした。ピアニストの技術があれば、普通と違う表現が出来そうです。普通のピアノと違うコントロールが必要なので、ファツィオーリに慣れたらこれに限るというは分かる気がします。

バッハのフランス組曲はいつも聞いている6番ではなく、4番だったので始めて聴きましたが、正確でありながら冷たくはない、ハデではないが明るい曲でした。波が重なるような低音部に、声高に叫ばなくても高音がクリアに乗り、佐久間さんなら人魚に海の底に連れて行かれる妄想を詩にしてくれることでしょう。(すいません、のだめのネタです)

普通のピアノやチェンバロとは全く響きが違うこのピアノは、声部が独立しているバッハなどのバロックにはとても合うと感じました。ある意味、ピアノ二台で弾いているような印象でした。

ラモーとシャブリエは色彩的で光が零れ落ちるような美しさがあり、ヒューイットの甘すぎないやや抑えた表現が素敵でした。フレンチ・バロックはあまり聴いたことがなかったのですが、フランス組曲のあとだったせいか、すんなり入って来ました。こんなところはさすがです。

ベートーベンの「熱情」は唯一良く知ってる曲で楽しみにしていましたが、いつも聞いていているアシュケナージと近かったからか?第一楽章で観客にセキが伝染したせいで集中力がもたなかったのか、あまり印象に残っていません。アンコールで弾いてくれた「悲愴」の方が印象的でした。こちらは音の消えるところが闇のように広がり、静寂を楽しみました。

もう一つのアンコール曲、「羊は安らかに草を食み」BWV208はアルブレヒト・マイヤーのバッハアルバムでよく聞いているのですが、ピアノから笛の音が聞こえてくるようで(ないない;)右手と左手が違う楽器を奏でているような錯覚を覚えました。

ヒューイット自身も満足いくリサイタルだったのか、アンコール中も顔全体を笑顔にしていてサイン会でも嬉しそうな様子でした。ヒューイットの公式サイトを覗いてみたら、東京のリサイタルはファツィオーリ308のおかげで色彩とレゾンナンスの豊さ、力強さと繊細さを味わえたという本人のコメントがありました。

演奏曲目

J. S. バッハ(1685-1750)
フランス組曲 第4番 変ホ長調 BWV815
J. S. Bach : French Suite No.4 in E flat major

L. v. ベートーヴェン(1770-1827)
ピアノ・ソナタ 第23番 ヘ短調 Op.57 「熱情」
L. v. Beethoven : Sonata in F minor Op.57 "Appassionata"

J. F. ラモー(1683-1764)
新クラヴサン曲集 第4組曲
J. F. Rameau : Suite A minor from 'Nouvelles suites de piéces de clavecin'

A. E. シャブリエ(1841-1894)
絵画的な10の小品より 即興曲、牧歌、スケルツォ・ワルツ
A. E. Chabrier : Improvisation, Idylle, Scherzo-Valse from 'Dix piéces pittoresques'

A. E. シャブリエ(1841-1894)
気まぐれなブーレ

A. E. Chabrier : Bouree Fantasque
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コメント
この記事へのコメント
オケでどど~ん、私も好きですよ!
オケ曲はベトベンやシベリウスに縁があるようです。
予習して行かないとしんどいので、つい知ってる曲に偏ってしまいますが。

最近は器楽や室内楽なかりなので、そろそろオケにも行きたいなと思ってます。

2006/10/28(土) 12:57 | URL | ろめいんれたす #VWFaYlLU[ 編集]
ピアノリサイタルに続けて行かれたようですね。

私は派手好みなのか、大規模なオケで、どど~ん!というのが好きみたいです。

ヴァイオリン協奏曲なんかでも、ソロの部分では飽きてしまう(苦笑)
2006/10/28(土) 11:44 | URL | milk dipper #-[ 編集]
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