ハーディングX新日本フィル マーラー交響曲5番

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またまたご無沙汰が続いているうちに、すっかり蒸し暑くなってしまいましたね。管理人は極度の貧血から急に増血したせいか、体質まで暑がりに変わったようで早くも夏が始まった感じです。(^^;

節電での弱冷房の影響もあったかもしれませんが、トリフォニーホールでのコンサートは熱気が溢れていました。

期待の若手指揮者、ダニエル・ハーディングが新日本フィルの"Music Partner of NPJ"(要は首席客演指揮者)に就任するというニュースを聞いた時は小澤ファミリーが更にグレードアップ!と楽しみにしていたのですが、その就任コンサートが予定されていたのは、なんと3月11日。インタビューによると、地震の体験は人生初(!)だというのに、あの混乱の中、コンサートをキャンセルせずに、徒歩などで集まった50名程の観客に向けてマーラーの5番を演奏したとのこと。外見だけでなく、中身も男前!と尊敬してしまいます。

管理人はこのプログラムに行くつもりで、当日券を狙っていましたがもちろん断念。地震当日の夕方は大多数の例に漏れず徒歩帰宅したのですが、ツイッターなどで情報をチェックしている中でハーディングがコンサートを敢行すると聞き元気づけられたものです。

ハーディングと親しい金聖響さんのツイッターによると、震災の直後二人でこう話していたそうです。
「…僕たち音楽家は目の前にあるやるべき事をまっとうするしかなく、機会を頂けたら全力で最高の演奏をすることだけを考えよう、と。あとは祈るしかないです。」

実力のある若手指揮者であり、日本を大事に思ってくれるダニエル・ハーディング。そのコンサートについての素人的感想は続きからどうぞ。

震災後は来日を中止した音楽家も多いですが、余震なども多く、リスク管理の観点では仕方が無いと思います。特に、震災直後は日本にいても情報が錯綜していましたし、外国にいたなら更に情報が少なかったことでしょう。管理人も訪問するはずの地域が災害にあったら予定を延期すると思いますので、来日されなかった音楽家を責める気は全くありません。ですが、そんな中で敢えて来日してくれた方々にはその分まで感謝をしたいと思います。

ハーディングは震災直後にもすぐには帰国せず、チャリティコンサートを企画しようとしたそうですが会場などの面で断念し、6月にもう一度マーラーの5番を聴いてもらいたいと考えたそうです。今回は3月の代替公演とチャリティコンサートで5番を再演することになりました。

そんな思い入れのあるコンサートはUSTREAMでもライブ放映され、寄付も受け付けたとのこと。新日本フィルもやるなぁ!と思いました。

冒頭のエルガーはもともとの予定にはなかった曲です。東日本大震災で亡くなられたかたに捧げると言う事で、拍手は辞退するとプログラムに挟み込みのお知らせがありました。始めて聴く曲でしたが、主旨に相応しい荘厳な曲でした。

素晴らしい演奏だったのですが、約束通りに観客は拍手を我慢し、オケも時が止まった様に動きを止めていました。圧倒的な静けさに、ハーディングは沈黙を演奏しているのだと感じました。東北の大震災で一瞬にして日常が失われた悲しみを、その真空のような時間が伝えた気がします。

マーラーが始まる前の拍手は非常に大きく、エルガーの演奏への高い評価と、メインへの期待が伝わりました。

第一楽章は葬送行進曲だというのに、ファンファーレの様なトランペットで始まり、哀しいというには賑やかすぎ、勇ましいというには抑圧されすぎる曲の個性をしっかりと表現していたと思います。その後も万華鏡の様な多様なムードを、統制を取りながら紡いでいて目の前をいろんな景色が通り過ぎるようでした。

金管が安定しているのは聴き手としても安心できますし、木管には古部さんもいるので管理人としては文句なし。もちろんコンマスの崔文洙さんが弦を丁寧にリードして、第三楽章のアダージェットなどは幽玄で美しかったです。細かい点では、チェロのピチカートがギターのような響きを聴かせたり、パーカッションの皆さんが絶妙なヴァイブをあたえていたりして、ドラマチックながらも抑制の利いた演奏は素晴らしかったです。

いつもより冷房が効いていない会場で、客席は文字通り熱い拍手を贈り、コンマスも立ち上がれの合図でも立たずに指揮者に感謝をしたり、ハーディングがもうこれで終わりのサインのように胸に手を当てても許さず、何度も拍手で舞台に引っ張り出しました。客席に電気が灯り、オケが立ち上がっても観客は拍手を続け、コンマスの崔さんがハーディングを引っ張り出し、指揮台に立たせたり二人で手を繋いで振り上げたり。。

演奏が素晴らしかったことに加え、チャリティコンサートを実現させた感謝を、オケと観客が一緒になって力一杯伝えたのだと思います。その後サイン会とチャリティ募金があり、エントランスにはオケメンバーが揃っていました。管理人はハーディングのマーラー10番のCDと、アルゲリッチのチャリティCDを買うのに手間取り、サイン会の長い列は諦めて募金の列に並びました。

折角だから、チャリティを実現してくれた感謝を伝えよう!と意気込んだら、募金箱を持つハーディングの隣に崔さんと古部さんまで居て、完全に舞い上がってしまいました。気の利いたことが思いつかず、”Thank you so much for coming to Japan!”(日本に来てくれて本当にありがとう!)としか言えませんでした。我ながら必死な感じだったなぁ、恥ずかし!(><)

チャリティという意気込みが、より素晴らしい演奏に結びついたと思います。実現してくれたハーディングと新日本フィルに感謝です。本当に行って良かったコンサートでした。実は募金箱に予定よりも高額な紙幣を入れていたことに、後で気がつきましたが、気にしない♪


ハーディング・新日本フィル チャリティーコンサート
~3.11東日本大震災、明日への希望をこめて~

2011年 6月20日(月)19:15開演
会場:すみだトリフォニーホール
エルガー:創作主題による変奏曲「エニグマ(謎)」Op.36より第9変奏「ニムロッド」
マーラー:交響曲第5番嬰ハ短調
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