ベンジャミンXモラレス「ロメオとジュリエット」@新国立劇場

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東京は節電も始まり、暑い夏が真っ盛りですね。
早くも夏バテ気味であまり気力がないところですが、バレエ、マクミランの「ロメオとジュリエット」を観て完全にリフレッシュしてきました。

久し振りの新国立のチケットは長年バレエに親しんでいるM先輩に譲って貰ったもの。舞台に近い正面の席で、オケピのさざめきを味わえ、指揮者の横顔まで良く見える場所でした。Mさん、最高の席での素敵な時間をありがとうございます!

バレエを知ったきっかけは漫画という人も多いかも知れませんが、もちろん管理人もです。「アラベスク」は珠玉の名作ですし、美男美女ばかりの「Swan」は神がかった美しさがあるし、「テレプシコーラ」の光と影に惹かれ、「ダンシン!ダンシン!」の主人公の普通に近い感覚も好きです。おっと、今日は漫画の話ではありませんでしたね。(^^;

以前よく観ていた頃も行くのは海外のバレエ団ばかり(含む海外で観る)で、日本のバレエ団は今も昔も良く知りません。よく考えると、全幕で観たのは白いバレエやチャイコフスキーが多いかもです。あとはガラなど、てんこ盛りの演目。ロメジュリは何度か観たことがありますが、マクミラン版は初めて。

そんな訳で、知識のない管理人の思い込み満載&比較するものもない感想ですが、宜しければ続きからどうぞ。
東京は今日から節電開始という7月1日。会社も心なしか更に暑く、電車の本数が減っていることを忘れ、やや遅れ気味で初台の駅に到着。自然にオペラシティに向かってしまう足を新国立に向けて、早足で二階のオペラパレスにたどり着くとここもやっぱり弱冷房。ですよね~。(笑)

今回の演目は6日間ということですが、それを4組のソリストが踊るという贅沢なキャスト。それよりも、他のキャストもソリストに会わせて組み合わせを変えているのもすごいと思いました。管理人も都合が許せば、別の日程も見たかったです。

ジュリエット役のベンジャミンは、軽やかで伸びやかな少女が恋を知り女性に変わるまでを自然に演じていました。印象的だったのは回転やジャンプではなく、どんなポーズも美しく、舞台に一ミリくらいしか接してない感じのコントロール。ジュリエットがパリスの求婚を避けるところなどでの、たーっとトウで後ろに走るステップなどは滑っているようでした。

リフトなどでの体重を感じさせない踊りの裏には、柔らかい筋肉と卓越した身体能力があるのでしょうね。幕前でのラベランスの際に、鋭角な腕の筋肉を見て驚きました。演技力と安定感にベテランの風格があるとは思いましたが、先ほど調べたところ、40代も半ばとのこと!いやぁ、驚きました。(笑)

ロメオのモラレスはチリ出身ということもあり、ラテンな好青年という感じで、ウェストサイドストーリーのトニーね!と納得してしまいました。女の子と遊び慣れていて、男友達とつるんでばかりのお兄ちゃん。それが、ジュリエットに恋してちょっと一途な感じになって、ティボルトとは争わない方が…と大人な分別が見え隠れ。ですが、マキューシオが卑怯な手で倒されると黙っては居られずに、敵を討つまでの葛藤が大人な雰囲気でした。

カップルとしては優美で、滑らか。難しいステップや心情表現を軽々と踊って見せ、作品を知り抜いている印象です。モラレスは日本人ダンサーと同じくらいの体格で、ベンジャミンは157cmと身長は低いけれど手足は長く見えます。トウで立ってキスが出来るギリギリの身長差がベンジャミンを可憐に見せていました。

舞踏会で恋に落ちるところでは視線の合わせかたが切なく、バルコニーシーンの後ろ向きに飛び込むリフトでは、羽根が生えているようでした。それでいてアクロバティックでないのがこのカップルの個性で、物語を邪魔しないのが素晴らしいと思います。

死んでしまった様なジュリエットをロミオが抱いて踊るパ・ド・ドゥは哀しくも美しく、本当に死んでしまったロメオの腕をとって息絶えるジュリエットの最後の姿はあまりにも綺麗でした。

全般的には、白いバレエを見慣れているせいか、男性ダンサーが皆カッコ良く見えました。踊りながらの殺陣(笑)は、刀が当たる音まで音楽的なのはさすがです。ヴェローナの街では雑然とした雰囲気が良く出ていましたし、舞踏会の「騎士達の踊り」では尊大な音楽に合わせて形式的な踊りが繰り広げられるところが優雅で偉そうでした。それらを背景にしてこそ、ジュリエットが新鮮に見える気がします。もちろん、前半は街の雑踏に馴染んでいたロメオが、後半浮いてしまうコントラストもナイスです。

男性陣の中では、二人の友人と敵役が特に素敵でした。ロメオの三人組は今まで悪さをやっていた仲の良さが現れていて、マキューシオの福田さんの個性が目立ちます。卑怯な手で殺されてしまうシーンでは、ここで笑いを取らなくても!と言いたくなるほどの断末魔。「アラベスク」のエーディクだったら、もっと色っぽい演技だったのだろうと想像してしまったのは管理人のオタク脳ですが。

そこで、今回一番セクシーだと思ったのはティボルトの輪島さん。別の日程ではパリスも演じるらしくそちらも似合いそうですが、ティボルトでは堅い中に悪の魅力が垣間見えるところが男らしく、殺されっぷりも素敵でした。嘆き悲しんでいたのは叔母さんですが、女が縋って泣くのが似合う男だと妙に納得してしまいます。

女性陣では乳母や3人の娼婦の演技が光っていましたね。乳母さんはジュリエットの幼さや、三馬鹿トリオ(失礼)の青さを良く引き出していました。3人の娼婦は、はすっぱな感じに弾けていて、猥雑な街の場面を鮮やかに彩っていました。クラシックバレエは一糸乱れ図に踊る妖精のような役も多いですが、こういう人間くさい役は全体のドラマ性を上げるのに大事ですよね。

対する「百合を手にした娘たちの踊り」は清らかで、マンドリンの皆さんはオランウータンのような衣装は笑えましたが、突き抜けて豪快で、どちらもその後にくる悲劇の前の息抜きにぴったり。両家の両親を始めとして、大公や神父さんなども存在感があって物語の枠組みをきっちりと作っていました。パリスはジュリエットが恋に落ちなそうな感じを好演。誠実そうなのに、あっさり殺されてしまうのが不憫です。

オーケストラの方もメリハリが付いていて、特に繰り替えされるジュリエットのテーマがたおやかな踊りに合いつつ、場面に合わせてニュアンスを変えていた気がします。印象的なダンスシーンでは音楽も良く聞こえるのですが、管弦楽だけを聴くよりも踊りに合わせているせいか、木管の柔らかい響きやオルガンの音色に彩りを感じます。

また、リフトのタイミングなどはカップルで微妙に違うと思うので、6日で4組それぞれに合わせるのは大変な苦労だと想像してしまいます。アンコールで、指揮者が舞台に上がる意味がよく分かります。

素晴らしいバレエと、それを支えた音楽にブラボーを!

2011年7月1日(日)
新国立劇場 <オペラパレス>
マクミランの ロメオとジュリエット(全3幕)

ジュリエット:リアン・ベンジャミン
ロメオ:   セザール・モラレス

マキューシオ:福田圭吾 ティボルト:輪島拓也 ベンヴォーリオ:菅野英男
パリス:厚地康雄 乳母:遠藤睦子
キャピュレット卿:森田健太郎 キャピュレット夫人:湯川麻美子
ロザライン:川村真樹 大公:内藤博 ロレンス神父:石井四郎
モンタギュー卿:小笠原一真 モンタギュー夫人:千歳美香子

指揮:大井剛史
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
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