素人的コンサート感想:清水直子&アイディン

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金曜は久しぶりのリサイタル。無料のロビーコンサート等も良いのですが、(笑)ホールで聞く至福もまた格別です。とは言え、開場時間はまだ会議が終わらず、速やかに話をまとめて今後の手順を確認しオフィスを飛び出しました。優雅とは程遠い状況ですね。(笑)近いホールなのでぎりぎりにはなりませんが、もう少し気分の余裕を持ちたいものです。(^^;

満員御礼、当日券ナシの王子ホールの客席からは外気の寒さを打ち消す熱気が漂ってきます。管理人は見ていないのですが、一年ほど前にベルリン・フィルの日本人女性の首席奏者として「情熱大陸」で取り上げられ、評判になったようです。10年前のミュンヘン国際音楽コンクールで21年ぶりの一位を獲得したということからも実力が伺えます。ピアノのアイディンは彼女と同じ年にこのコンクールで最高位を受賞しており、公私共に清水さんのパートナーだそうです。

そんな最強な二人のアンサンブルは期待を上回るものでした。
最初の曲、バッハのヴィオラ・ダ・ガンバ・ソナタは二本のフルートと通奏低音のためのソナタBWV1039と同じ音楽ですが、フルートソナタとはかなり違う印象を受けます。楽器の差だけでは無く、フルートソナタの場合は脳内バックグランド処理(笑)をしていた低音が、ピアノだと豊か音なので耳に良く届き、釣られてピアノの2声を主に拾ってしまいました。フルートの1本に当たる右手のピアノとヴィオラの間で耳の集音がふらついている間に第一楽章は終了。(^^;曲が進むにつれ声部が重なり、耳も慣れたのか、ヴィオラとピアノの3声をバランスよく聴ける様になりました。

勝手な印象ではちょっとけんか気味の第一楽章から(笑)、仲直り?の第二楽章へ。第三楽章には同じ道を歩き出し、第4楽章では快活なフーガで終わります。言い古された表現の通り、ヴィオラは深くて豊かな響きで、ヴァイオリンよりチェロに近い印象でした。それも当然、ヴィオラ・ダ・ガンバのガンバは足という意味で、大きさもチェロに近く、足ではさみ、弓で弾く楽器だそうです。

シューマンのおとぎの絵本では打って変わって、1曲目のぴったり寄り添うようなロマンティックなやり取りが素敵でした。ヴィオラという楽器そのものの魅力が素人にも伝わる清水さんの豊かな響きと、決して伴奏ではないピアノの確かなテクニックと美しい響きが相まって、遠いおとぎの世界に連れて行ってくれます。駆けるような中盤では、具体的には良く分かりませんが、とにかくテクニックは凄いなと、初めて聞く中音の早い流れに心地よく身を任せました。最後はゆったりと暖かい旋律で身も心もリラックス。街のクイックマッサージの数倍効きました。^^

フランクのヴァイオリン・ソナタは始めて披露するレパートリーとは思えないほど堂々としたもの。このままジャズにも展開できるのではないかと思わせる序奏からヴィオラが徐々に主張して、この曲の主題を伝えます。ピアノのテクニックが難しいとされる第二楽章ではアイディンは危なげなく、また競うことなく主張します。第三楽章は幻想的という指示ぴったりにヴィオラが謳い、ピアノが応えます。最終楽章のカノンでは二人の響きが気持ちよく交差し、この音楽をずっと聴いていたいと思わせてくれました。

清水さんは弓一杯、体一杯使ってあるときは幻想的、あるときはモダンな感じでヴィオラを弾ききり、ヴァイオリンのための曲だと言う事を忘れそうでした。アイディンも確かなテクニックでヴィオラを支えつつ、自分の響きを輝かせ、二人のパートナーシップを見せつけてくれました。

オケをぱっと見てヴィオラとヴァイオリンの区別がつかない管理人ですが、(笑)日本女性としては平均的な体格の清水さんが持つと、ヴィオラはヴァイオリンよりやはり大きいことが良く分かります。そしてこれも当たり前なのでしょうが、ヴァイオリンより音程が低いだけではなく、ヴァイオリンとは違う暖かい響きなど楽器そのもの魅力も良く伝わったリサイタルでした。

最後の曲が終わった瞬間、ガッツポーズのように弓を高く掲げた清水さんでしたが、額に汗も見えず、涼やかな笑顔でぺこりと礼をしてはすたすたと立ち去ろうとします。熱い拍手とブラボーの声にとても嬉しそうに応える笑顔はお買い物で銀座に来ているOLさんと変わりません。一方でアンコールも全く違う曲想で3曲披露し、最後まで客席を魅了してくれました。良い意味でのプロフェッショナル意識を感じさせます。

ステキなリサイタルの暖かい音の記憶には夜の冷気もかないません。自然体の天才のくれた幸せな思いを、無事持ち帰ることができました。

清水直子(ヴィオラ)& オズガー・アイディン(ピアノ)

J.S.バッハ ヴィオラ・ダ・ガンバ・ソナタ 第1番 ト短調 BWV1027
シューマン おとぎの絵本Op.113
フランク  ヴァイオリン・ソナタ イ長調

アンコール エルガー:愛のあいさつ
ピアソラ:タングァーノ
バシューメズラー:贈り物

関連タグ : コンサート, ヴィオラ,

コメント
この記事へのコメント
清水さんの演奏素晴らしかったですね。
nomomaniaさんみたいに感想をコンパクトにまとめられませんが、楽しいリサイタルでした。

BSで放映されるんですか。
うちは映らないみたいで残念です。(^^;
2007/01/21(日) 12:14 | URL | ろめいんれたす #VWFaYlLU[ 編集]
王子ホールの演奏も良かったようですね。
私が聴いたフィリアホールでも大いに盛り上がり、アンコール曲3曲も同じでした。
NHKがTV収録に来ていましたから、そのうちBS2の「クラシック倶楽部」で聞き比べができそうですよ。
2007/01/21(日) 09:19 | URL | nomomania #-[ 編集]
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