素人的リサイタル感想:樫本大進・無伴奏ヴァイオリンリサイタル

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かなりきついスケジュールでしたが、行ってきましたよ!
出張準備をかばんに押し込め、部署内での移動用ダンボールに荷物を詰め込み、道を間違えたタクシーの運ちゃんを上品に注意しつつ、(笑)文字通り滑り込んだのは紀尾井町ホール。揺らめくシャンデリアの間から匂い立つようなヴァイオリンにうっとりとしたひと時でした。

H師匠、いつも良席を確保頂きありがとうございます!2階席真ん中で大進くんを独り占めした気分でしたよ。^^

樫本大進初の無伴奏のヴァオリンリサイタルですが、ステージに向かう彼の横顔には自信が満ちており、静けさの中で期待が高まります。

書きなぐりの感想ですが宜しければ続きをどうぞ。
最年少でロン・ティボーの優勝を始め数々の国際コンクールでの優勝をかざり、世界的な若き天才等と紹介されている樫本大進のリサイタルは、期待を裏切らないものでした。無伴奏曲はどれも一台の楽器で演奏されているとは信じられないぐらい技巧が必要とされる曲です。何百年も前のバロック時代からこれほど演奏するのも難しい曲を作っていたという事実に、音楽的進歩とはなんだろうと思いを馳せてしまいました。

その無伴奏曲を4人の作曲家から一曲ずつ紹介すると言う意欲的な取り組みに、彼のリサイタルの構成へのこだわりが感じられます。バッハのパルティータ第3番で始まり、その曲のフレーズを使ったイザイに流れ、休憩を挟んでイタリアンバロックのジェミアーニ(聞いたことのない作曲家でした)の難曲、バルトークと進みます。バッハはプレリュードとガヴォットは聴いたことがありますが、到底一台の楽器とは思えない複雑な鳴り方に呆然と聴いていました。イザイはドラマチックで、バッハとの共通性と違いを並べて弾くことで浮き彫りにします。ジェミアーニも技巧だけではない、イタリアバロックらしい曲でしたがこれも同世代の並ぶことで輝きが増したと思います。

バルトークは心地よくない不調和音が一杯ですが、シャープな高音が美しく、不本意にも気持ちよく聴けました。アンコールではまたパルティータからガヴォット。はじめとは少し違うニュアンスで、謳うような明るさでリサイタルを締めくくりました。

小さなホールならではの、一ひねりした選曲のアンコールまでの流れが秀逸でした。メジャー曲の構成だったらこれほど曲の関連性や違いが印象に残らなかったでしょう。・・偉そうに言ってますが、演目を始めてみたときはバッハメインで混ぜるのはイザイだけにしたら良いのに、なんて初心者丸出しで思ってました。(^^;

ヴァイオリンの音には詳しくないのですが、クリアな高音とヴーンと振動するような低音が絡み合いながら跳ね回るのは始めての体験。また、ピチカートの音が多彩で美しく、弾きながらのピチカートには驚きました。後で調べてみると、愛器グヮルネリには高音の2本を現代楽器用のスチール弦、低音の2本を古楽用のガット弦にしているそうです。響きの違いを意識したようですね。納得。

プログラムを読んで天才ってすごいなと思ったのは、パルティータ3番を始めて弾いたのは7,8歳、ジェミアーニは12歳だったということ。その12歳の頃にはなぜヴァイオリンを弾くのか悩んだ時期ということで思い入れの大きい曲だったそうですね。天才はやはり成長が早いというか、一般人とは悩みのレベルも違うようです。

技術的にも世界トップクラスの樫本大進ですが、彼が目指すのはヴィルトゥオーゾはなく、より深い音楽の理解とそれを一般の人に伝えることなのだと感じました。日本人のアイデンティティを持ち、世界を舞台に真の音楽家を目指す若き挑戦者にブラボーを送りたいと思います。


プログラム
J.S.バッハ :  無伴奏パルティータ 第3番 BWV.1006
イザイ :    無伴奏ヴァイオリン・ソナタ 第2番 op.27-2(J.ティボーに献呈)
ジェミニアーニ :12の無伴奏ヴァイオリン・ソナタより
バルトーク :  無伴奏ヴァイオリン・ソナタ

アンコール
バッハ:     無伴奏パルティータ第3番より ガヴォット
コメント
この記事へのコメント
szellさん

早速のご返答ありがとうございました!^^

大進くん、天才少年から音楽家へ脱皮中という感じでした。欧州では元・天才少年だけではお客さん呼べませんもんね。(^^;
一方昨夜の観客は7割おば様と言う感じで、ロビーでは「さすがよね~」みたいなコメントが多く聞かれ、なに弾いても喜んでくれそうな(失礼)雰囲気のなか、意欲的に取り組んでいたと思います。
先が楽しみなヴァイオリニストの、脱皮の成功を祈りたいと思います。
2007/03/10(土) 16:44 | URL | ろめいん #VWFaYlLU[ 編集]
大進、ここからどう変われるかですよね。
5~6年前、気鋭のヴァイオリニストがいる、ということで聴きに行き、大変感心した覚えがあります。
その後も、チョン・ミュンフン&東フィルと競演が多かったので、良く聴きました。
天才少年と呼ばれ、活躍の場日本国内に留まるか、世界に羽ばたけるか、正念場を迎えていると思います。
頑張ってるとは思うんですけどねぇ・・・。
とっても好きなヴァイオリニストだけに、是非一皮剥けて欲しいです。^^;
2007/03/10(土) 15:25 | URL | szell #-[ 編集]
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