宮本文昭ファイナルコンサート2:記憶に留めたい音楽があった

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本日3月31日で世界的なオーボエ奏者宮本文昭が引退します。トッパンホールの室内楽で最後を迎える宮本さんは最後の日を、なんとマチネと夜のダブルヘッダーをこなすそうです。(^^;そして翌日はレギュラーを務めるミュージックラジオの新番組で2時間生放送に臨むとか。

一流のオーボエ奏者から、もっと広い意味で音楽を創る立場へ変身する宮本さんの男の花道を満開の桜が飾ったのは偶然ではないのかもしれません。野球で言えば新庄のような引退劇を自ら演出した彼は、イチローのような職人的努力家でもあります。先日さわりを書いた、引退コンサートの3月29日版の感想の続きを宜しかったらどうぞ。cool.jpg

セルフ・プロデューサー宮本登場
チョイ悪オヤジのような派手なプリントのシャツで現れた宮本さん。追加公演なのに前日と編成を変え、前半は小編成でクラシックを中心にオーボエを聴かせます。フォーレの「夢のあとに」は宮本らしい伸びやかで輝くようなトーンが響き、五臓六腑に染み渡るようです。オーボエを自在に操り、微妙なニュアンスをぴしっと決めながらもさりげなく移ってゆく音に乗っていると、扱いにくい楽器であることをすっかり忘れてしまいます。短いフレーズも最適な吹き方を選び抜き、それを卓越した技術とコントロールで届けられる彼は芸術家であると共に職人だと確信します。

恐らく一番ポピュラーな曲、あすかのテーマ「風笛」ではお嬢さんもヴァイオリンで参加し、会場も大いに盛り上がりました。「身内を入れるのはあまりいい事じゃないけれど、やっとこれくらい弾けるようになったので」という断りにプロ意識を感じました。オーボエを引き立てるヴァイオリンの音色も鮮やかで、父娘の厳しい指導を想像させます。

俗っぽさもまた魅力?
MCでは引退に際して書いた本、「オーボエとの時間(とき)」の特別装丁版がコンサート会場のみで販売されているとの話題が。今回のコンサートチケットには三倍のプレミアが付いたらしいなどとユーモアたっぷりに煽ります。開演前に山積みだった本は休憩時間中に売切れてしまい、宣伝効果は絶大だったようです。(笑)ちなみに管理人は開演前に購入済だったので、人ごみに入らずにすみ、ラッキー。^^

前半の最後はレーザーとスモークが舞台を彩り、「It might be you」ではラメのドレスをまとった女性シンガーが今にも現れそうな雰囲気。もちろん艶っぽいシンガーは現れませんでしたが、(笑)宮本さんのオーボエはヴォーカルみたいに歌っていました。
前菜とパスタでここまでプレゼンテーションしてくれた宮本さん、メインからデザートが楽しみと言うか、ちょっと怖い。いつもより長い女子トイレの列に、長丁場を覚悟した観客の心構えを感じました。(爆)

オーボエ・アーチスト「宮本文昭」の作り方
ゲストコーナーでは縁のあったアーチストとそれぞれ2曲ずつ披露。曲の間やセッティング中はMCで忙しく、主役は休む間もありません。出会った頃の思い出を語るやりとりに観ている身も別れを告げるセレモニーの参加者か、証人のような気分です。出て来た人は音楽を作った仲間のほんの一部でしょうが、こういう人たちとの出会いで宮本文昭が出来上がったのだと納得できました。クラシックとクロスオーバーの両方で活躍するアーチストは多くても、それをオーボエでやってこれだけも認められているのは世界でも宮本さんだけなのではないでしょうか?世界でただ一人の宮本文昭の秘密を垣間見たようなコーナーでした。

初めて作曲した曲、「午后のロマネスク」と名曲メドレー「ボサノバ・オン・G/回転木馬/My Favorite Things」で始まった後半。宮本さんならではの曲で彼らしいオーボエを満喫させてもらいました。天上から降るような音色を謳うようなフレージングを易々と吹く宮本さんがあと数日で演奏家としての舞台を降りるとは、頭では分かっていても心が納得行きません。

続くゲストコーナーのトップバッターは邦楽の皆様。三味線・笙・篳篥(しちりき)・尺八・琴・和太鼓・鼓などに加えパーカッション・ギター・ベースのバックが加わります。楽器の編成だけでも曲のユニークさは伝わると思いますが、「陽炎の丘」は懐かしいお祭りのよう、「届かない子守唄」は琴の日本的な音階にクリアなオーボエが乗ってしっとりと景色を見せます。特に尺八とオーボエのセッションパートは不思議ながらももっと聴きたくなる魅力がありました。和楽器とオーボエのコラボなんてエスニックソースをかけた刺身みたいと敬遠してましたが、さすがに宮本シェフは普通に美味しく料理してくれました。

渡辺香津美との「シェルブールの雨傘」は大人っぽくて洒落ていて、まるでサックスとギターみたいなコラボレーション。「遠州つばめ返し」はギターの人が作った曲らしく、休みがなく気が抜けないと説明があったとおり、早吹きで壮絶な曲でした。(^^;引退コンサートに、こんなしんどい曲を入れてしまうなんて、自分に容赦のない人です。。

中西俊博は洒脱という表現がぴったりなヴァイオリン。「フラミンゴ」と「マジックマウンテン」はどんな楽器をつかっているか気にならないほど自然なアンサンブル。ヴァイオリンとオーボエの掛け合いが大好きな管理人はすっかり心地良くリラックスしてしまいました。

チェロの溝口肇はMCで男前振りを誉め殺しにされ、ふくれてましたが、本当に溝口さんは楽器ナシでも絵になる男です。(笑)だれでも知っている長寿番組「世界の車窓から」と「Perfect Days」を天は二物を与えるんだなと納得させながら流麗に演奏する二人はヴィジュアル的にも華やかでした。

なんとオーボエの音域も知らずに作曲したという「蒼の薫り」と「世界遺産」でデビューコーナーを締めくくったのは鳥山雄司のギター。普段聴くフルオケの世界遺産とはちがい、小編成のインティメートな味わいも良いものです。暖かいギターの音と艶やかなオーボエのロングトーンは聴き手に流れてくるようでした。本当のメインはこれか?と思わせる肉汁たっぷりのコラボレーションに拍手です。

コンサートはまだまだ続き、感想も続きます。(^^;
あまりに長いので続きはその3でどうぞ。。

関連タグ : オーボエ, 宮本,

コメント
この記事へのコメント
妄想たっぷりの感想にお付き合い頂きありがとうございます。(^^;
ただいま脳内に渦巻いている思いをとりあえず外に出さないと思考が停止してしまいそうなので、吐き出し中です。
これだけの演奏家が人前での演奏を辞めてしまうという事はやはりインパクトがありますね。
MCはもともとはMaster of Ceremonyでしたね。英語では元の通り司会者という意味でしか使わなそうですね。
2007/04/01(日) 01:40 | URL | ろめいん #VWFaYlLU[ 編集]
長文で中身の濃い記事からコンサートの充実振りが伝わってきます。

MCとは司会者のことかと思っていたのですが、「曲と曲の間のおしゃべり」のことだったんですね。
また一つ勉強させていただきました。

2007/03/31(土) 23:14 | URL | nomomania #-[ 編集]
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